そしてレポートが仕上がった時も、「一応仕上がりました」などと、素っ気ない態度で提出するのもNGなのです。
「課長からご指示いただいた前年比との比較は、図表を多く使うようにして、細かい変化もわかりやすく表現いたしました」などと、さらりと工夫点を伝えておくことが大事なのです。これが「先行刺激(プライマー)」となるからです。
上司は、こうした部下のコメントを背景にレポートを読むことになるわけですが、ここからが「後続刺激(ターゲット)」となって生きていきます。「ほう、こりゃ、わかりやすいな。図表が多くて一目瞭然だ」などの感想を呼び、満足感にもつながりやすいからです。
これからは、得意先に手土産を持参する際にも、「つまらないものですが……」などとは、けっして言わないようにしてください。
「これ、うちの地元の人気菓子でして、時々早い時間になくなるほどに売れ行き好調なんです。ぜひ、ご賞味いただきたいと思いまして……」
謙遜するよりも、ひと言、共感を仰ぐ言葉が、「後続刺激」につながります。
まとめ 気の利いたひと言によって、好印象を添える。
どちらかを選ばせる
■二者択一マインド、誤前提暗示
とっておきのアイデアをまとめた「提案書」や「企画書」を作っても、上司が保守的なタイプなら、ストレートに承認を求めないほうがよい場合があります。
こんな時には、NOという答えを出しかねない上司の「認知」を歪め、NOを出しにくくする「認知」に換えてから、上司の判断を仰ぐのが正解になります。
上司「ん? A案が〇△で、B案が〇△×か……。どちらかといえば、B案のほうがいいんじゃないか。今後の継続的な売上にもつながりそうだしな……」
提案をわざとAとBの2つに分け、二者択一で選ばせたのです。最初から「こんな企画内容はいかがでしょうか?」などと、正面から1つの提案を示すと、「え? 今のままでもいいだろ……。こんな余計な提案をして、納期を短くしてくれとか要求されたら困るよ」などとNOと言い出しかねないからです。
提案そのものの可否を問うと、誰でもYESかNOかに導かれるのです。
しかし、AかBかの二者択一で選ばせる形をとれば、提案そのものの「却下」が回避できます。この上司にとっては、提案そのものの承認が、本来意図せざる「誤った前提」になっています。ゆえにこの手法を「誤前提暗示」と呼びます。
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