「AppleMusic」は、本当に魅力的なサービスか 無料慣れした世代にとっては古くさい
2つ目の疑問はコネクト機能だ。アーティストは、それぞれTwitterやFacebookなどを活用して情報発信を行っているが、Apple Musicのコネクト機能に取り組むインセンティブがあるのだろうか。
たとえば楽曲のレコーディング風景のビデオを見て、手書きの歌詞を読みながら、実際の楽曲を聴く。そんな楽しみ方を1つのモバイルアプリの中で実現できる体験は、新鮮なものになるかも知れない。
アーティストの収益源がCDの売り上げやデジタルダウンロードからライブなどへと移行している中で、Apple Musicは手軽に自分の音楽へ引き込む手段となり、これまで間接的だったソーシャルメディアでの活動が、より直接的な収益に近づく可能性はある。しかし、多くのアーチストを引き込むのは、決して簡単ではないだろう。
アップルは「音楽ビジネスそのものを新たなものに変える」という難しいチャレンジに挑もうとしている。iTunes Storeでの販売でも、iTunes Radioや他のストリーミングサービスでも実現できていないものを作ろうと考えているようだ。
アーティストにとってのプラットホームに
iTunes Radioを含む既存のストリーミングサービスは、ユーザーから積極的に選ばれた音楽を流しているわけではない。これはファンに支えられながら活動するアーティストにとって、ストレスになり得る。
Apple Musicでは、楽曲やコネクトのコンテンツを、購読サービスの中で展開でき、ユーザーの関心を集め、音楽を聴くことへ結びつけられる。新規ファン獲得によって収益を得るプラットホームになりうるのだ。Apple Musicでは、情報発信を含むあらゆるアーティストの活動が、「音楽を聴いてもらうこと」によって収益に変えられる可能性がある。
アップルは収益について、米国では71.5%、米国外では平均して73%をアーティストやレーベルに配分することを認めている。この数字は、他の音楽ストリーミングサービスが支払うよりも数%多いという。
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