仏・西・伊、兄弟言語の「ことわざ」の相違が面白い グループの同じ3言語は同時に効率よく学べる
このことわざも3言語で同じ意味を表す文となっていて、「それは海の中の一滴の水である」、つまり「大海の一滴」という表現です。フランス語だけ指示代名詞が主語となっていて、ほかの言語では主語は省略されています。イタリア語のd’acquaはdi acquaが縮まった形で、このような定型表現などでは、母音の前でdiのiが落ちることがよくあります。
広大な海とわずか一滴の水というスケールの違いを表現することによって、とるに足らない量であるということを表しています。日本語では「九牛(きゅうぎゅう)の一毛(いちもう)」とも言いますね。
「ことわざ」を通して文化の違いを知る
こちらも3言語で同じ意味を表す文となっていて、「何もないところでは王様は権利を失う」ということを表しています。フランス語とイタリア語では、存在を表すおなじみの構文が前半に使われていますね。
スペイン語のhayという存在を表す動詞は、もともとは「持っている」という意味を表していた動詞haber(アベル)の現在形3人称単数形haに場所を表す語yがくっついたものです。フランス語と同じなりたちの表現ということになるのです。ただ、現在ではこのyは単独では使われなくなってしまい、hayで1つの語とみなされています。
このことわざは、「どんなに偉い人でも、与えられた状況に合わせていくしかない」ということを示していて、「ない袖は振れぬ」という日本のことわざにあたると言えますね。
いかがでしょう。「ことわざ」を通してフランス語・スペイン語・イタリア語それぞれの言語や文化の相違を垣間見ることができたのではないでしょうか。
このように3つの言語の近い関係を最大限活用して、3言語を同時に効率良く学ぶこともおすすめです。多言語を操るマルチリンガルに興味がある方は、ぜひ、チャレンジしてみてください。
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