仏・西・伊、兄弟言語の「ことわざ」の相違が面白い グループの同じ3言語は同時に効率よく学べる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

次に、3つの言語で意味が完全に一致していたり、ほぼ同じ意味を表現していることわざをご紹介しましょう。

●「歴史はくり返す」
『フランス語 スペイン語 イタリア語 3言語が同時に身につく本』P.237より

3言語で各単語が完全に対応している文で、意味も日本語訳そのままです。ここでの再帰動詞の用法は、「~をくり返す」という他動詞を「~がくり返す」という自動詞に変えるというものですが、「くり返される」という受け身のニュアンスも入っていると言えます。このように、再帰動詞はくり返し行われる行為や普遍的に成り立つ事柄を表すのにも使われます。

英語でもHistory repeats itself.と再帰代名詞を使って他動詞の自動詞化が起こっていると言えますが、3言語のほうが再帰動詞を使った構文の使用頻度がはるかに高く、再帰動詞の便利さを教えてくれることわざです。さまざまな意味で奥が深い言葉で、あらためてかみしめたいものです。

「命」と「希望」から見るそれぞれの視点

●「命あっての物種」
『フランス語 スペイン語 イタリア語 3言語が同時に身につく本』P.121より

3言語で同じ意味を表す文となっていて、「命がある限り、希望がある」ということを表しています。「命」と「希望」は数えられない抽象名詞として扱われているので、フランス語では部分冠詞がついています。イタリア語にも部分冠詞はありますが、ここでは無冠詞となっています。命も希望も、分量ではなく、その有無そのものを問題にしているからですね。部分冠詞がないスペイン語でも当然無冠詞です。

また、存在を表す表現が使われていますね。tant que, mientras, finchéは「~限り」という意味の接続詞(句)です。「命」の大切さを説く言葉で、じっくり噛みしめたい表現ですね。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事