寿命を延ばそうと糖質制限する人の"落とし穴" 長寿遺伝子サーチュインは活性化するが…
仮に、非常に意思が強いという理由でカロリー制限を続けられたとしても、別の問題があります。おそらく、この記事をお読みの方で、今まで風邪をひいたことのない人はいないでしょう。なぜ風邪をひいてしまうのかというと、まず、体温の低下によって免疫系の機能が下がってしまいます。その結果、風邪ウイルスが体内に侵入し、免疫システムが初期防御できずにウイルスが増殖してしまい、感染状態に至ってしまうからです。
免疫系の機能を低下させるのは、体温の低下だけではありません。栄養状態の低下もまた、免疫システムの機能低下を引き起こします。カロリー制限による栄養状態の低下は直接免疫システムの低下をもたらすだけでなく、さらに体温の低下をも引き起こすのです。
食事をすると体が温かくなるのを感じたことがあるでしょう。食事により摂取した栄養素は体内に吸収され、筋肉組織などの細胞内では栄養素は呼吸により得た酸素とともに燃焼されエネルギーとなります。このエネルギーは熱エネルギーのため、当然体温も上昇します。
しかし、カロリー制限した場合は、体内に吸収された栄養素は細胞内で燃焼されず細胞の成分として合成されてしまいます。そのため、当然体温は上昇しません。 このように、カロリー制限は免疫システムの低下をもたらし、感染症のリスクを上昇させてしまいます。風邪程度の感染であれば大きな問題はありませんが、がんを引き起こすウイルスや直接死を招くような感染であれば、結果的に寿命を縮めることになってしまいます。
栄養失調に至るようなカロリー制限は感染症のリスクを引き起こし、寿命延長どころか死を招いてしまう可能性があります。ダイエットや健康目的でカロリー制限や絶食を行う人がいますが、この行為も同じ理由でおすすめできません。
糖質制限は効果がある?
読者の中には、糖質制限に興味を持っている人もいるのではないでしょうか? 糖質制限は、低炭水化物ダイエットまたはケトジェニックダイエットとよばれることがあり、その潜在的な健康上の利点により人気を集めています。
例えば、炭水化物を制限すると、主に全体的なカロリー摂取量が減少するため、体重減少につながる可能性があります。また、炭水化物を制限することで、体は貯蔵された脂肪をエネルギーとして燃焼するよう促され、その結果、体重が減少します。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら