北朝鮮がウクライナをミサイル実験場にしている ロシアに砲弾や火器を送り、実戦データを取得

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松山キャスター:侵攻開始から1カ月後のこのイスタンブールでの交渉が、実は停戦に一番近づいた瞬間だったのではないか、という言い方が当時からされていた。プーチン大統領が今になって、アメリカの元FOXニュースのタッカー・カールソン氏のインタビューで、繰り返しこの停戦交渉に言及する背景についてどう考えるか。

「停戦の合意にほぼ達していた」旨の発言

佐藤氏:これは情報戦だ。まさにいま厭戦(えんせん)気分とか、支援疲れがあるという勢力に打ち込むためにわざとこのインタビュアーに向けて昔の話を言った。ブチャの虐殺等もあって、おととし3月はロシアがきつい状況にあった時だ。いまは逆にロシアのほうが押している状況だ。昔の話をいま持ち出しても現実的ではない。情報戦の一環と見るべきだ。現状を考えると、プーチンがいま支配している領土をもらったからといって戦争をやめるかどうか。これはまったくわからない話だ。もともと目的はウクライナの属国化だ。当時の案が現実的かどうか、わたしは極めて懐疑的だ。

鈴木氏:プーチン大統領がタッカー・カールソン氏とのインタビューで言ったことは紛れもない事実だ。あの時に和平していれば、こういう状態にならなかった。

いま、ウクライナ戦争で、ゼレンスキー大統領はクリミアを含めてすべてを奪還する、それが自分たちの停戦の考えだと言う。どう考えてもそれはありえない。ロシアはどこまで取るかという、勝利の表現はしていない。ロシアには余裕があるし、ロシアが和平を考えている一つの大きなメッセージだと思っている。

佐藤氏:ゼレンスキー大統領の一つの失敗は、ハルキウやヘルソンで反抗がうまくいったということに鑑みて、2023年6月から今度は反攻に転じた。誰が考えても、当時はまだ十分な戦車も来ていないし、準備も含めて早いという状況、不十分な状態で反攻してしまった。結局、この1年ちょっと全然動かない状況の原因を作った。司令官を戦時中に交代するというのも普通は真逆で、こういう理由で交代するとしっかり言わなければ、国民にも厭戦気分が広まる。われわれの大統領はどういう形でこの戦争を、本当に押し返すまでやろうと思ってるのかと、そういう部分が本当に見えないと。ここはもう少し明確に言ったほうがいい。

いまゼレンスキー大統領にとって大事なのは、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスの首脳と膝詰めで会って、どこまであなたたちは俺に支援をしてくれるのかを確認することだ。どのくらい、いつまでという部分をしっかり見極めて、兵たんの限界が戦争の限界を決めるから、それを本当にやらないと(いけない)。これからこの戦争指導をどうするかという大きな絵を描くのはゼレンスキー大統領なのだから。

佐藤正久、鈴木宗男、岡部芳彦
(写真:FNNプライムオンライン)

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