「SHOGUN 将軍」リアルな日本描写を世界が絶賛 巨額予算に込められた「欧米でもウケる」という自信
若い世代向けへのアプローチにも抜かりがない。配信開始の3週間ほど前には、インフルエンサーを招待した特別ディナーイベントを開催(本人たちは、インフルエンサーやYouTuberよりも、コンテンツクリエイターという肩書を好むようだが)。
ロサンゼルスのミシュランふたつ星懐石料理店「N/Naka」を完全に貸し切り、『SHOGUN 将軍』をテーマにした全13品の特別コースと日本酒を振る舞って、日本の文化について知ってもらいつつ気分を盛り上げるという趣旨だ。レストランの外にはポスターが、店内には衣装が飾られ、食事開始前には真田広之による短い挨拶もあった。
一般大衆に最もリーチできるテレビ、とりわけスポーツ中継と、若い層に効果的なソーシャルメディア、どちらにも惜しみなく投資するのは、これらの幅広い層にウケるはずだという自信があるからだろう。
せりふの約7割は日本語
その根拠は、何よりもまず作品の出来。出演者の大多数は日本人で、日本人の視聴者以外は彼らのせりふ(全体のおよそ7割)を字幕で読まなければならないものの、アクションはふんだんにあり、かなりショッキングなバイオレンスもあって、娯楽性たっぷりなのである。
人も死ぬし、政治的かけひきもあり、緊張感の張り詰めた中でどんどん話が進むことから、批評家の間では『ゲーム・オブ・スローンズ』のようだという声も聞かれる。
実際、それはなかなか言い得ている。すなわち、『ゲーム・オブ・スローンズ』のファンだった人はこれも好きになるはずで、もしそうならそれらの人の数は膨大ということになる。ちなみに、批評家受けはすばらしく、この記事を執筆している段階で、Rottentomatoes.comの点数はなんと100%だ。
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