オムロン「純利益98%減」で社長が示唆した懸念 「顧客起点が薄まっている」という根深い問題
ところが、今年度は中国の景気が低迷。それに引きずられる形で、大口顧客による設備投資の延期や縮小が相次いだ。
年度後半から需要が回復するだろうという見立ても外れ、満足な受注を見込めなくなった。これが大幅な下方修正となった最大の要因だ。
ファクトリーオートメーション(FA)関連の事業環境が良くないのは他社も同じだ。
キーエンスやSMCとの差
センサーなどで大手のキーエンスは、2023年3~12月までの累計で営業利益が前期比で2.6%減だった。空圧制御機器で世界1位のSMCも2023年度の業績予想を下方修正。営業利益の着地は前年度比で22.2%減となる見込みだ。
その中でもオムロンの下振れはやはり突出している。あるFA関連企業の幹部は「キーエンスやSMCは顧客層が幅広く、特定の分野や地域への依存度が低い。その差が如実に現れている」と指摘する。
オムロン製品を販売する代理店での在庫滞留も痛手となった。
「半導体や二次電池の投資はアップダウンの差が激しい。立ち上がる時は本当に早い」(IR担当者)。そのため、代理店側は早めに在庫を多く確保しておこうと動いていた。コロナ禍によるサプライチェーン混乱が記憶に新しいことも影響した。
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