熱海の復活「昼賑わっても夜は閑散」の厳しい現実 高齢化やコロナの影響で店は早い時間に閉店

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実際に、駅前の飲食店等は、18時をメドに昼間の喧騒が嘘のように一斉に閉店していく。

駅から20分ほどに位置する繁華街「銀座商店街」は、近年出店された観光客向けの人気店と、地元民から愛される老舗がミックスされた場所だ。スナックやクラブ、ショーパブなどが集中し、いかにも温泉街というノスタルジーな空間で、小粋な料理屋や寿司屋、居酒屋などが並ぶ。しかし、20時頃に訪れると営業している店を探すのが困難なほどで、ほとんどの店の灯りは消えている。ようやく見つけた店に入ると、店主は遠い目を浮かべた。

「この辺は熱海の中心で、昔はみんな17時頃になるとソワソワしだして、早い時間から飲み始めるくらい地元の人も酒好きの人が多かった。それが4、5年前からどんどん店が早くに閉まりはじめた。飲食店が空いてないから人も来ないし、人が来ないから店も開けない。賑わっているのは観光客相手の安価な店だけですよ。それも早い時間に閉まっちゃうから。店主たちも高齢化し、後継者もいないから、店を続ける気力がなくなっちゃうんだよ」

タクシー利用は近距離がメイン

熱海は比較的コンパクトな街で、観光なら徒歩での移動も十分に可能だ。しかし、急勾配の坂が多く、徒歩だけでの移動となるとかなり労力が必要となる。そのため、市民の足としてもバスやタクシーの需要は大きい。

現在、熱海市内には約220台のタクシーがある。しかし、夜になると稼働するタクシーの数は極端な落ち込みをみせる。熱海駅のタクシー乗り場を訪れると、昼間は待機を含めると10台ほど確認できたが、19時頃にはわずか1台となっていた。51台と市内で最大規模のタクシーを運行する「小形タクシー」代表の渥美好永さん(84)が解説する。

「熱海は坂道が多く、タクシーは近距離の乗車回数を多くこなすような営業になります。利用者の約6割が地元の方で、日中に集中しています。ウチも夜間は10台を切るほどしか車を出せず、夜がほんとうに動かない。コロナ前までは夜も動いたんですが、今はそうなってしまった。結局、店が開いてないから人も動かず、タクシーの乗務員も働きたがらない、となってしまっています」

熱海
夜の早い時間帯から商店街は閑散となる(筆者撮影)
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