シビックRS対新型GRヤリス、ホットハッチに脚光 一大ブームを起こしたジャンルに回帰する理由

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272PSから304PSにパワーが引き上げられたエンジン
272PSから304PSにパワーが引き上げられたエンジン(筆者撮影)

さらに、エンジンは最高出力を200kW(272PS)から224kW(304PS)へ、最大トルクを370N・m(37.7kgf-m)から400N・m(40.8kgf-m)へ向上。ボディとショックアブソーバーを締結するボルトの本数を1本から3本に変更するなど、シャシーやボディ剛性の強化も図ることで、よりハードな走行に耐える仕様になっているという。価格はこちらも未発表で、発売は2024年春頃を予定する。

特別仕様車2タイプも発売間近

GRヤリス RZ“High performance・Kalle Rovanperä Edition”(日本仕様、プロトタイプ)
写真右がGRヤリス RZ“High performance・Sébastien Ogier Edition”(日本仕様、プロトタイプ)、写真左がGRヤリス RZ“High performance・Kalle Rovanperä Edition”(日本仕様、プロトタイプ)(写真:トヨタ自動車)

ちなみにトヨタは、2024年1月25日に、新型GRヤリスのRZハイパフォーマンスをベースにした特別仕様車2タイプも発表した。モナコ公国で開催された2024年シーズンのWRC第1戦「ラリー・モンテカルロ」の会場で発表された2タイプは、トヨタのワークスチームが擁するラリードライバー2名が特別監修した仕様だ。

計8回のドライバーズタイトルを獲得したセバスチャン・オジエ選手の監修による「オジエ エディション」、2022・2023年連続でドライバーズタイトルを獲得したカッレ・ロバンペラ選手が監修した「ロバンペラ エディション」を設定する。いずれも4輪制御モードを専用設計としているのがポイント。

GRヤリス RZ“High performance・Sébastien Ogier Edition”(日本仕様、プロトタイプ)のリヤビュー
GRヤリス RZ“High performance・Sébastien Ogier Edition”(日本仕様、プロトタイプ)のリヤビュー(写真:トヨタ自動車)

オジエ エディションには、「MORIZO(モリゾウ)モード」という設定もあるのが面白い。モリゾウことトヨタ会長の豊田章男氏が、自ら走り込んで導き出した前後輪の駆動力配分らしく、オジエ選手が気に入ったことで採用したという。

GRヤリス RZ“High performance・Kalle Rovanperä Edition”(日本仕様、プロトタイプ)のリヤビュー
GRヤリス RZ“High performance・Kalle Rovanperä Edition”(日本仕様、プロトタイプ)のリヤビュー(写真:トヨタ自動車)

また、ロバンペラ エディションでは、円を描くように車体を回転させるドーナツ・ターンが得意なロバンペラ選手向けに、「DONUT(ドーナツ)モード」も設定。これは、前後輪のスライドコントロール性をやりやすくする制御で、車体を横滑りさせながら走るドリフト走行時にも効果を発揮するという。

なお、これらモデルも価格は未発表だが、2024年春頃に抽選申し込みを開始し、各タイプともに100台限定で発売を予定しているとのことだ。

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