台湾の日系自動車向け部品会社で強制労働の疑惑 トヨタ、日産、ホンダ、三菱はどう答えるのか
トヨタはこの問題を調査中だ。トヨタの広報担当者は、「当社の人権方針とサプライヤーサステナビリティガイドラインは、暴力的で脅迫的な手段や借金という罠によって引き出されることの多い強制労働を容認しないと明記している」と述べた。
LMWは、トヨタが株式の過半数を所有する台湾の自動車メーカー、国瑞汽車(Kuozui Motors)に自動車部品を販売している。トヨタは、「LMWでの外国人労働者の就労条件について国瑞汽車を通じて確認している」と述べた。
ホンダと三菱は、関係会社を通じてサプライヤーであるLMWに確認を求めたところ、LMWは出稼ぎ労働者に強制労働の危険はないと述べたと、私たち調査チームに回答した。
【2024年3月6日12時00分追記】初出時のホンダと三菱の回答に関する記述を上記のように修正いたします。
ホンダのサプライヤーサステナビリティガイドラインでは、サプライヤーが強制労働をさせたり、その他の人権を侵害しないことを義務付けている。ホンダの広報担当者は、「2023年10月に最初の問い合わせを受けてから状況を確認するためにLMWに連絡し、同社の運営が台湾の法律および前述のガイドラインに従っていることを確認した」と述べた。
三菱、日産の対応は?
三菱自動車は、「当社が直接雇用する従業員並びにサプライヤーやパートナーの従業員の人権および労働者の権利を重視している」と述べた。そして台湾のパートナーを介してLMWでの件に対処中であると説明した。そのうえで同社は「現在、世界中のビジネスパートナーに対して人権デューデリジェンスを実施するシステムを開発中だ」と述べている。
なお、ホンダと三菱とも、経営陣に尋ねる以外に、LMWの出稼ぎ従業員から直接、事実関係を把握しようとしたかどうかについては明らかにすることを拒否した。
日産は、「会社方針として、当社および裕隆日産(Yulon Nissan)はサプライヤーとの関係や労働の仕組みについてコメントしない」とした。そのうえで「私たちは、すべての適用法および規制を遵守している」と述べた。
自動車部品サプライヤーのLMWは、私たち調査取材チームによる再三のコメント要請に返答しなかった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら