「お見舞い」「談話」北朝鮮が日本に発信する意図は? 日本が思っている以上に北朝鮮の対日姿勢は一貫している

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北朝鮮外務省の外交官で日朝国交正常化交渉を担当し、日本とも深いパイプを持つ宋日昊(ソン・イルホ)大使は2018年、「金日成時代から日本は近くて遠い国ではなく、近くて近い国であり、同胞も住んでいる。そのような日本と善隣関係を持つことはとても重要なことであり、これは北朝鮮の一貫した立場だ」と東洋経済に対して話したことがある。

彼の著書『金日成主席と日本』の中でも、国交のない日朝間でありながら、日本には善隣友好関係を持とうとする姿勢で一貫していると説明する。これが、現在の金正恩政権でも基本的なスタンスだというのだ。

金与正「談話」の真意は?

間欠泉的に発信される北朝鮮の対日メッセージではあるが、その真意が金日成時代から変わらないとすれば、2024年2月15日の金与正・副部長からの「談話」はどう解釈すべきか。

岸田首相が2月9日、衆議院予算委員会で「(拉致問題の解決に向けて)大胆に現状を変えていかなければならない」と発言した。

これを受けての談話のようだが、談話では「解決済みの拉致問題を障害物としなければ」と条件を付けたうえで、岸田首相のこの発言を「肯定的なものとして評価されないはずがない」と述べた。

さらに「日本が政治的決断を下せば、両国がいくらでも新しい未来をともに開いていける」「平壌を首相が訪問する日が来る可能性もある」と踏み込んだ内容の談話となっている。

2023年5月29日、北朝鮮外務省の朴尚吉(パク・サンギル)外務次官は、「日朝両国が互いに会うことができない理由はないというのが共和国(北朝鮮)の立場だ」との内容の談話を発表している。だが、「(安部政権と変わらず)具体的な行動がなければ関係改善はおろか対話もない」とも付け加えている。

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