話が通じない人とも信頼関係が築ける9つの会話術 「会話=パートナーシップ」という見方をしてみよう

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あなたの懸念を表明したいのであれば、もっと繊細な、時機をみたやり方を探ろう。多くの場合、相手は考えを表現するのに最善を尽くした[結果、不適切な発言をしてしまったのだろう]。

礼を失した発言についてコール・アウトするのではなく、当人が何を言わんとしているのか理解しようと努め、発言の意図は真正なものだったと認めよう、それがどれだけぶっきらぼうなものだったとしても。

もちろん、わざと失礼に振る舞ったり口汚い相手には、臆することなく立ちあがって、声をあげ、明確な線引きをする必要がある。そうしないのであれば会話を終えるまでだ。

9.礼儀正しくあること。

「よろしくお願いします」「ありがとうございます」と言おう。加えて、誰かが反論を述べたり、あなたの意見に同意しないようなときにも、「ご意見いただきありがとうございます」と言おう。

会話をするために重要なのは「聞く力」

あなた自身の経験を思い返して、話を聞くことの重要性を考えてみよう。夕食に招待したいのは次のどちらだろうか。

『話が通じない相手と話をする方法――哲学者が教える不可能を可能にする対話術』(晶文社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「なんでも」知っていて相手を説得しようとするばかりの人か、それとも、親身になってあなたの話に耳を傾け、会話に引き込んでくれ、話を聞いてくれていると感じさせる人だろうか。

熟練した聞き手を友人に持つという幸運に恵まれているのならば、どちらを夕食に招待すべきかはすでに明白だろう。

人は、話を聞いてもらえると深い満足を感じる。だから、良心と真心をもって話を聞くことによって受けられる見返りは莫大なものなのだ。

話を聞かなければ、相手を理解することはできない。相手を理解することができなければ、会話などというものは存在しない。

聞くことは見かけよりもずっと難しい。だから練習が必要である。会話する際には傾聴の態度を中心に臨むよう、できることをやろう。

ピーター・ボゴジアン 哲学者

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Peter Boghossian

1966年生まれ。アメリカ合衆国出身の哲学者。主たる関心は、批判的思考や道徳的推論の教育に関する理論とその実践。ソクラテス式問答法を活用した囚人教育プログラムの研究によってポートランド州立大学から博士号を取得し、2021年まで同大学哲学科で教員を務めた。意見を異にする人びとが 互いの信念や意見の根拠について理性的に話し合うためのテクニックである「路上の認識論」(Street Epistemology)を提唱。著書に、『無神論者養成マニュアル』(A Manual for Creating Atheists)など。

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ジェームズ・リンゼイ 文筆家、批評家

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James Lindsay

1979年生まれ。アメリカ合衆国出身の文筆家、批評家。テネシー大学ノックスビル校で数学の博士号を取得。宗教やポストモダン思想の問題を分析・考察する論考を多数発表している。著書に、『「社会正義」はいつも正しい――人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて』(ヘレン・プラックローズ共著、山形浩生+森本正史訳、早川書房)など。

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