「囚われた人々」奪還へ突き動かすイスラエルの教え どんな大きな代償を払っても人命を救う理由

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自分たちの同胞が監禁されている地域を攻撃するのが容易ではないことは、想像にかたくない。自らの攻撃により、同胞の命を危険にさらすことになるからだ。

さらにガザ市民を「人間の盾」として居住区や病院、学校などに潜むテロリストを相手にしているのだから、戦闘における難易度はより高いものとなる。

手の内をさらしての攻撃という難しさ

ピンポイントでテロ拠点を攻撃する際、IDFはガザ市民への避難を呼びかけている。事前にビラを配布し、ウェブ上に特設サイトを作って避難経路を案内している。自らの手の内をさらして作戦を行う軍隊が世界のどこにあるだろうか。

それでも多くの被害が出るのは、避難しようとする市民をハマスが阻んでいるからである。ハマスによって住民の避難が阻止されていることは、ガザ市民の証言によって明らかになっている。

イスラエルがジェノサイド(大量殺戮)を行っているとして、南アフリカがICJ(国際司法裁判所)に提訴したが、まったくの詭弁だ。「ジェノサイド」という言葉は、ナチスによるユダヤ人大量虐殺を形容する言葉としてイギリスの法学者が作ったものである。それをイスラエルにあてがうとは、悪い冗談かと思ったほどだ。

多くのガザ市民が犠牲になっているのは不幸としか言いようがない。けれども、ガザの一般市民が犠牲になっている責任は、民間人に隠れて(あるいは民間人になりすまして)攻撃を行っているハマス側にある。

これは明確な国際法違反である。国家ではないハマスに国際戦時法が適用されることがないのをいいことに、ハマスはやりたい放題やっている。

イスラエルはこのような敵と対峙し、ガザ市民を保護しつつ人質を奪還するための困難な作戦を遂行している。断罪すべきは、2023年10月7日に無辜の市民を大量に虐殺したうえに人質を取った卑劣なテロ組織に対してである。

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