リスニングは精聴&多聴のセットで鍛えろ! ただ漫然と聞くだけではダメ

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松村:そうだったんですね。ただ、あのころは最短距離という実感はなかったですね。聞き取りが弱いのはわかっていたので、単語の丸暗記をしているころから、リスニングの特訓も実は始めていたんです。それでも、聞けるようになったという実感はなかなか湧いてこなかった。単語の暗記に比べると、進歩がない。2カ月続けても、ニュースの意味は一向にわかりませんでした。

それでもやめることなく毎日続けていると、3カ月目ぐらいに「あ、単語が聞こえた」という瞬間がやってきたんです。一言、二言だけなんですけど、音ではなく言葉として聞こえた気がしたんです。そこからは早かったです。初めて聞き取れたと思ってから1週間、2週間ほどで聞き取れる単語の数が劇的に増えました。僕の実体験としては、リスニングに関しては、続けているとワッと聞き取れる日がやってくる。そう信じて続けましょう、ということですね。

授業についていき、試験にパスする秘策とは?

安河内:おお、まさにSlow but steady wins the race.(継続は力なり)ですね。聞き取りに関しては、3カ月でどうにかなったんだ。じゃあ、ITの専門学校の授業にも順調についていけたんですね?

松村:純ジャパが、海外の学校の成績をパスするような英語力を3カ月で身につけるのは無理なのでは? もちろん僕も無理でした。3カ月みっちり勉強しましたが、授業で聞き取れたのは2~3割程度。教科書を繰り返し読み返すことで、ギリギリ理解できるところまで何とか到達する感じでした。

しかも、レポート提出などライティングの課題もたくさんあって、イチから書いていると、とてつもなく時間がかかる。それでいて、出来上がった英文は支離滅裂。最初の学期は自分で文章を書くのは、あきらめました。代わりに教科書と過去問の丸暗記で乗り切りました。試験では出題ページの見当をつけたら、暗記したものを可能なかぎり忠実に書き出すといった具合でした。

そんなふうにして授業と試験を乗り切りつつ、ひたすら英語に触れ、インプットを増やしていったのが1学期目でした。BBCラジオの多聴およびシャドーイング、そしてリスニング教材の精聴の繰り返しで、半年ぐらいを過ぎた2学期目あたりから、ようやく授業の理解度もそこそこに。ライティングも自分の言葉で書けるようになり出しました。

安河内:地道ですね。

松村:いえ、しょせんは、怠け者の努力だった気がします。ホントに地道な人は、英文法書を読んで、英語を理解して考える作業をしますから。僕はたくさん読んで聞いて、ざっくりわかるようになっただけ。パターンで英語を覚えたクチです。

この時期、英語の勉強でこだわったのはインプットの量。人の話を聞くことでインプットもできますが、あまり効率がよくない。相手のペースに依存しますから。読書やラジオを聞いたほうが断然効率が高い。

安河内:ああ、わかります。米国などに何年も留学していたけど、勉強せずに遊んでばかりいたという人なんかがいい例ですね。日常的やりとりは流暢だけど、インプット不足でそれ以上はダメという。Hey bro!(オッス)、 How’s going?(調子どうよ?)、That’s cool.(いいね)、Awesome.(サイコー)とか表面的には流暢だけれども、語彙や表現不足で内容のあることになると、一向に伝えられない。松村さんは授業についていって、いい成績をとるために、実の部分のインプットを優先したんですね。それでITの専門学校にはどれくらいの期間通ったんですか?

松村:最初は1年でいいと思っていました。帰国したら受験して、日本で大学生になることも考えました。でも、夏に戻っても大学の入試は翌春だし、入学時点で21歳。そこから4年はきついなと……。そんなときです、今の専門学校に2年通えば、イギリスかオーストラリアの大学に編入できるという話を聞いたのは。

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