表計算「作った本人が退職」会社で起きる大混乱 自己診断できる、デジタル化レベルチェックも

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デジタル化の初期段階とは、電卓仕事からパソコンを使った仕事に切り替わった段階です。

「会社に1つ以上のメールアドレスがあり、ホームページも業者に作ってもらった。簡単な計算は表計算ソフトでやっている。パソコンはネットワークに接続されており、ファイルやプリンターの共有ができている」といった状態をイメージしてください。

しかし、「あいかわらず取引先からの注文は紙やファックスで送られてきて、社内処理も社内伝票など紙での運用が多く残っている」といった状態でもあります。

ここから一歩抜け出し、何らかの業務システムが導入されていたとしても、データ入力など人の手によって処理する業務が多い場合は、初期段階といえるでしょう。

さて、このレベルの会社では多くの場合、表計算ソフトが多用されています。その中身を拝見すると、むずかしい関数や、ときにはマクロ(※表計算ソフト上で決まった操作を登録し、ワンタッチで実行できる機能)まで組まれているケースが多くあります。

なかには、「当社は全部表計算ソフトのデータで仕事をするようになっているので、かなりデジタル化が進んでいると思っています」と胸をはる社長も見かけます。表計算ソフトをうまく使っていれば会社のデジタル化は充分なのだ、というにわかには信じられない誤った認識の経営者が少なくないということです。

ソフトを高度に使いこなすことは難しい

表計算ソフトを高度に使いこなすことについて、頭から否定することはいたしませんが、表計算は表計算です。

あくまでも表のなかで縦横の計算をするのがこのソフトの役目です。データとデータの間の連係とか、データの書式を定型化する考え方がまったくなく、そもそもそのようには作られていないものなのです。

日々大量にくる受注や、それに応じて発行しなければならない発注書を自動作成するための専用ソフトではありません。生産計画を立案して実績を管理する専門ソフトでもありません。

もちろん、スタッフの手で売上分析や予実管理のために使うのであればまったく問題ないのですが、これを企業の日常業務に組み込もうというのは考え違いです。

それらの業務に表計算ソフトを無理矢理使おうとすると、どうしても関数や高度な機能を多用することになります。そうしないと使えないからです。

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