窮地の国産「和紙原料」から誕生した菓子の正体 お菓子とお茶で地元産の楮(こうぞ)を支援

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小川町和紙体験学習センターの中庭で、楮の皮を干す研修員の中野晴実さん(右)と内田茜さん(撮影:河野博子)

手すき和紙作りでは、真冬の11~2月に楮(こうぞ)を刈り取り、蒸してから皮をむき、乾かすなど手すき作業に向けた準備を進める。楮は全国的に生産量が激減し、各地で「地楮(地元産の楮)」作りに注目が集まるが、楮畑が広がるには課題が山積。そこで、和紙の里・埼玉県小川町では、地元の観光業者と大学が手を組み、楮の新芽を使ったお茶とお菓子を開発した。「地楮」作りの拡大につながるのだろうか。

スカイツリーの下で、お茶とお菓子を売り出すイベント

楮は高さ2~3メートルの低木で、冬に直径2センチほどの木を刈り取る。横から枝が出ていない太くてまっすぐな木になるよう、夏に行う作業を「芽かき」という。ここで摘んだ新芽を使ったお菓子が昨年秋に開発された。

お披露目のイベントが1月20日、東京・墨田区のスカイツリータウン地下3階で開かれた。地元の観光・まちづくり会社「おいでなせえ」のスタッフと、ともに新しい観光プログラムに取り組む立教大学観光学部の西川亮准教授と学生たちがお菓子や和紙をアピールした。

イベントで新作菓子と和紙をアピール(撮影:河野博子)

土曜日のスカイツリーは、親子連れやカップルで賑わう。テーブルの上には、売り出し中のガレット(厚焼きクッキー)を一口サイズに切って入れたケースが置かれ、通りがかった人につまんでもらった。千葉県我孫子市から来た男性と近くに住む女性のカップルは、口に放り込み、顔を見合わせて、「おいしい」。

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