そのような環境を行政の力で変えるべく、内閣官房と公正取引委員会は昨年11月末、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」(ガイドライン)を公表した。
発注者側に対し、労務費転嫁について経営トップが関与すること、下請けが要請しなくても協議の場を設けること、労務費転嫁の根拠資料を過度に要求しないことなどを明示している。
その中身は、傘下に中小企業の労組が多く、労務費の価格転嫁を訴えてきたJAM(ものづくり産業労働組合)の安河内賢弘会長が「JAMの議案書のような書きぶり」と驚いたほどだ。「あとは実効性をどう担保するか」(安河内会長)。公取などは各地域で説明会を開き、ガイドラインの周知に努めている。
ガイドラインには、コストのうち労務費の占める割合が高い業種への調査結果として、受注者が賃上げ分の値上げを要請して認められにくい業種「ワースト10」、認められやすい業種「ベスト10」も掲載されている。
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