「社民・福島党首訪中」に見る中国の隠された狙い 「中国は愚か」と侮った時点で術中にはまっている
親中派議員が訪中すると「中国の工作に引っかかった」という声をよく聞く。
しかし、可能性としては“ある”一方で、中国が日本の政治家に対し獲得工作を仕掛け、成功し、中国の意のままに動いているという確たる裏付けのある事例は極めて少ない。その工作自体の裏付けが公になっていないのが実情であり、断言できずに臆測の域を出ない“難しさ”がある。
訪中する議員は中国に取り込まれているのか
ここには防諜上の問題があり、日本の防諜を司る機関が一定程度の具体性をもってその工作活動を指摘するような“発信力”が求められている。例えば警察白書では、政治工作について具体性のある記載はない。
当然、防諜活動自体の暴露の危険性や政治活動、外交問題とのバランスが重要であるのは言うまでもないが、一定の顕著な例は、個々の名を出さずとも、工作活動例として示すべきではないだろうか。あえて公的機関が指摘しなければ、工作を指摘する声も臆測の域から脱出できず、いつまで経っても国民の危機意識は高まらない。
一方で、より注意すべきは“友好人士の「利用」”だ。中国は共鳴する人間を利用することを常としている。では中国側はどう働きかけるのか。
中国共産党の各種工作について克明に示した良著『見えない手』(クライブ・ハミルトン、マレイケ・オールバーグ)に興味深い内容が示されている。
カナダの駐中国大使を務めたデヴィッド・マルローニーによれば、「あなた一人だけが、状況を理解し、母国の政府に説明するために必要な才能と経験を持っている。両国の運命はあなたの手に託されている」と言い、中国共産党は虚栄心を巧みに操るという。
特に、政治家やその関係者は、安易に共鳴する姿勢を見せることで、悪意・故意なく中国に利用されかねない危険性が存在していることを理解していただきたい。
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