「コロナ禍の影響により、中国の子育て世代の多くが家族計画の先延ばしを余儀なくされた。2024年はその反動が現れる可能性がある。とはいえ、出生数増加の規模は大きくないだろう」。人口問題の専門家の黄文政氏は、財新記者の取材に対してそんな見方を示した。
より長期で見ると、中国の人口減少はますます加速していく。中国国家衛生健康委員会(日本の厚生労働省に相当)の直属シンクタンク、中国人口・発展研究センターの張許穎・研究員(教授に相当)の試算によれば、中国の総人口は2026~2030年の期間は年平均230万人ずつ減少するが、2031年~2040年はそれが370万人、2041~2050年は620万人に増加し、2050年以降は年平均1000万人の減少が予想されるという。
経済・社会に広範囲の打撃
「あらゆるデータが、出生数および総人口の減少トレンドの加速を示唆している。にもかかわらず、中国社会は将来の経済発展や生活水準に与える負の影響をあまりにも過小評価している」
前出の黄氏はそう警鐘を鳴らし、さまざまな業界が人口減少の打撃に直面する時期を次のように予想した。
「ベビー用品や保育サービスは5年以内、教育サービス、食品、アパレルなどは5~20年後、不動産、家電、自動車、レジャーなどは20~50年後だろう。その先は医療、介護、葬祭などにまで影響が広がっていく」
(財新記者:許雯)
※原文の配信は1月17日
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