つんく♂:孫さんがおっしゃるように、日本人にしかない感覚、世界に広めたいですよね。
孫:たとえば「もったいない」という言葉。やっぱりあの感覚はうまく説明できないんですよ。でも、わかってくれた人たちはみんな「すばらしいね!」と言ってくれる。世界中の人に「もったいない」という感覚が広まれば、それだけでものすごく環境負荷が減るような気がします。
つんく♂:日本にはもともとSDGs的な感覚がありますよね。
孫:そうそう。日本人からすると「今ごろわざわざ何言っとんのや」という感じもありますよね。
「ありがとう」にある2方向への尊い気持ち
日本語の「ありがとう」もそうです。外国人に「ArigatoはThank Youっていう意味だろう」って言われたら、僕はこう話すんです。
ありがとうは「有り難し」であって、直訳すると「It's never happened」とか「It's like a miracle」みたいに、奇跡のような、めったに起こらないことがあったというニュアンスがある。
相手に感謝するだけじゃなく、天に向かって「こんな奇跡のようなことが起きていいんでしょうか?」という2方向への気持ちがあるんだと。
そういう話をすると、みんな「おお! 深い」と日本人や日本語をリスペクトしてくれます。