BRICsに投資しないことがリスク

GSアセット・マネジメント会長ジム・オニール

BRICsはもはや「新興市場」ではなく「成長市場」、投資しないことがリスクだ--ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント会長 ジム・オニール

GDPで日本を抜き世界2位となった中国をはじめ、新興国の世界における存在感は日増しに高まっている。約10年前にブラジル、ロシア、インド、中国の4大新興国を「BRICs」と名付けたゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント会長のジム・オニール氏は、もはやBRICsは新興市場とはいえない規模に成長したとし、それら4カ国にトルコ、メキシコ、インドネシア、韓国を加えた8カ国を「グロース・マーケッツ(成長市場)」として再定義した。そして、これら成長市場における経済ポテンシャルと投資機会の大きさを訴えている。

国際的資産運用ビジネスに30年のキャリアを持つ同氏に、震災後の日本を含め、混迷が続く世界経済とマーケットの見通しや「成長市場」の投資機会などについて聞いた。


■新しい時代に突入した世界経済。先進国の混迷と主導役の交代

--リーマンショックから3年近くが経過したが、世界の経済とマーケットは不安定な状況が続いている。現状をどう位置づけているか。

われわれは「新しい時代」に入ったと言えるだろう。理由は2つある。

1つは、先進国の投資家のマインドが金融危機によって落ち着きをなくしたことだ。投資家たちは毎週のように、危機が再来するのではと心配している。それが彼らの行動に影響を与えるようになった。

もう1つは、世界経済のドライバーが変わったことだ。今や主導役は中国やインドであって、米国ではない。

個人的な逸話を挙げよう。2週間前にスイスに滞在したときのこと。標高1500メートルから3000メートルまで行くスキーリフトは料金が77スイスフラン(約7300円)と高価で、私と妻は乗るかどうか迷っていた。

すると、私たちの前をインド人が通り過ぎ、「6人分」と言って迷わず現金で払っていた。結局、私と妻も乗ったが、他の乗客はみなインド人。私が最初にスイスを訪れた1979年当時は、有名なユングフラウ山の鉄道には日本人旅行者だけの客車があったものだ(笑)。

要するに、時代は変わったということ。今や、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)を理解せずして世界は理解できない。

マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 最強組織のつくり方
  • 最新の週刊東洋経済
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「ニッポン半導体」敗北の真相
「ニッポン半導体」敗北の真相
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
勝ち組シニアと負け組シニア<br>定年格差

「45歳定年」発言に対し一部で猛反発。現実には法改正で70歳までの雇用確保が今春努力義務化されました。人生100年時代といわれる今、従来の定年はもはやなくなりつつあります。老後も働くシニアが第二の人生を勝ち抜くためにすべきことは何でしょうか。

東洋経済education×ICT