ちょっとやってやめたものも、まったくムダということではありません。経験として蓄積されますので、子どもの引き出しが増えたと考えればいいのです。また何年かして、あるいは大人になってから、もしかしたら中年以降になってから、何かのきっかけで再開することもあるわけです。
親が現時点で「将来きっと役に立つ」と思っても、この激動の時代に本当に役に立つかはかなり疑わしいと思います。
「困難から逃げる人間にさせたくない」というのも一面的な価値観にすぎません。世の中を見渡せば、困難からうまく逃げることができずに抜き差しならない状態になっている大人がたくさんいます。ですから、困難からうまく逃げる能力も大事なのです。
つまり、「これは無理だ。このままでは自分は大変なことになる」と思ったらちゃんとSOSを出したりうまく逃げたり拒否したりできる能力です。その能力をつけるためには、子どものときからそういう経験を何度かしておくことも必要なのです。長い人生においては、子どものとき習い事をやめた経験・困難から逃げた経験が自分を救ってくれることもあるでしょう。それこそ将来役に立つ経験といえるのではないでしょうか?
習い事は「心から楽しくやれるもの」を
私が多くの例を見てきて言えるのは、習い事は「今現在本人が好きなことややりたいもの。心から楽しくやれるもの」をやらせてあげることが大事だということです。自分が好きで心から楽しめることをやれていれば、幸福度が上がり生活全体に張り合いが出てきます。自分の気持ちが満たされているので友達や兄弟にも優しく親切にすることができます。好きなことをやらせてくれる親に感謝する気持ちが育ち親子関係もよくなります。
好きなことを楽しんでやっていれば、自然に成果が出て能力も上がります。ほめられることが増え、自己肯定感も上がり、他のことでもがんばれる元気が出てよい循環が始まります。嫌いなことをイヤイヤやっていてもこうはなりません。子どもの貴重な時間とエネルギーが、そして親の大切なお金がムダになるばかりです。
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