「トランプ相手ならバイデン有利」の愚かな発想 米民主党は皮算用にうつつを抜かしている
そうした読みが外れて一度は痛い目に遭っているため、現在の民主党にはそこまでの確信はない。それでも民主党は、選挙に敗北しながら暴徒を扇動して権力の座に居座ろうとし、さらにアル・カポネよりも多くの重罪で起訴されているトランプが再選されるはずはない、という期待を当てにしている。
「2016年当時、トランプが相手なら楽に勝てると考えた民主党員はいたが、私はその1人ではなかった」。そう語るのは、2016年の大統領選挙でトランプに敗れたヒラリー・クリントン陣営の広報責任者を務めたジェニファー・パルミエリだ。
「民主党の中にはトランプが相手になることを望んでいる者もいる。私としては、(トランプが)共和党内での戦いに負けて、これ以上力を付けられないようにした方が国のためにはよいと考えている」
パルミエリは、トランプが候補指名争いに負けて対戦相手がヘイリーかフロリダ州知事のロン・デサンティスになったとしても、バイデンは勝てるはずだと話す。
ヘイリー相手ならバイデンは8%差で負ける
だが、事はそう簡単ではないかもしれない。確かに、ヘイリーは過去に国連大使としてトランプ政権を支えていた。加えて共和党の指名候補としてもトランプを批判することをおおむね拒み、トランプが大統領候補に指名された場合、トランプに票を投じる可能性も否定していないため、民主党からの攻撃には弱いだろう。
だが、ヘイリーに対する浮動票層からの風当たりはそこまで強くないかもしれない。また、77歳のトランプとは違い、51歳のヘイリーは81歳のバイデンに対して年齢を武器にしやすい立場にある。
世論調査によると、民主党支持層ですらその大半が、もう1期大統領を務めるにはバイデンは年を取り過ぎていると考えていることが明らかになっている。