「ある男の転落死」裏側に潜む"夫婦の秘密と嘘" 仏映画「落下の解剖学」で描かれる人間の複雑さ
人里離れた雪山の山荘で起きた、とある男の転落死。殺人の容疑者として浮かび上がったのは人気作家として広く知られる妻だった。
裁判で次々と暴露されていく夫婦の秘密と嘘。その裁判を見守った人々は誰もが疑心暗鬼の渦の中に“落ちて”いった。いったいこれは事故なのか、自死なのか、それとも殺人なのか――。
カンヌなど数々の賞を受賞
昨年5月に行われた第76回カンヌ国際映画祭で、最高賞にあたるパルムドールを受賞。さらにアメリカのアカデミー賞の前哨戦ともいわれるゴールデン・グローブ賞で4部門にノミネート、2部門(脚本賞、非英語作品賞)を受賞した注目のフランス映画『落下の解剖学』が2月23日よりTOHOシネマズシャンテほか全国順次公開となる。
事件は、フランスの人里離れた雪山に建つ一軒の山荘で起こった。
ドイツ人のベストセラー作家サンドラは、山荘1階のリビングで女子学生からの取材を受けていたが、階上で家のリフォーム作業をしていた夫のサミュエルが突如、とてつもない大音量でBacao Rhythm & Steel Bandの「P.I.M.P」(アメリカ人ラッパー、50Centの大ヒットアルバム「Get Rich Or Die Tryin」収録曲のインストゥルメンタルカバー曲)を繰り返し流し始めた。
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