33歳男性「リボ払いの無間地獄」に堕ちた残酷経緯 "ひょんなこと"から毎月30万円超の支払いに…

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こうしてカードを手に入れた佐々木さんだが、当初はカードの使用自体が少なかった。その頃はまだキャッシュレスの時代ではなく、現金払いが主流だったこともあり、カードを使うのはネットショッピングのときぐらいだったのだ。そのため、月々の返済額もそこまで多くはなかったという。

ただ、友人の一言が、彼の運命を大きく変えることになる。

「金欠の学生だったので、カードの返済日が近づくと1日1食になり、友達との遊びの約束もキャンセルしていました。そんなときに友達から『カードは3回の分割払いがオススメだよ』と言われて、返済額が高くついた月は大きい買い物を分割払いにするようになりました。思えば、ここが地獄の始まりだったのかもしれません」

大学生より新卒は、金銭的に厳しいケースも?

大学卒業後は、今も勤めている広告代理店に入社した佐々木さん。将来的には高い年収も約束されている企業だが、入社した頃は金銭面で困ることが増えた。大学時代に、アルバイトに励んでいた結果、金銭感覚が新卒には過大になっていたのだ。

「学生時代はシフトに入り放題の飲食店でバイトしていたので、働けば働くほどお金は稼げたんです。それが、社会人になるとどれだけ働いても1〜2年目は手取り25万円前後。しかも、残業代で荒稼ぎする者がいたせいか、すでに『みなし残業』が固定給に含まれていました。

そんな状況下で、当時は新たな営業先を開拓するために、積極的に飲み会、セミナー、交流会に参加していました。もちろん、交流会やセミナーは会社の経費で落ちますが、そこで出会って仲良くなった人たちと飲むときは割り勘なので、交友関係は増えてもお金は減る一方……。あと、会社の先輩たちから飲みに誘われることも多かったのですが、みんな奢ってくれないんですよ(笑)」

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