33歳男性「リボ払いの無間地獄」に堕ちた残酷経緯 "ひょんなこと"から毎月30万円超の支払いに…

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「毎月、返済のためにとにかく現金が欲しかったので、大人数での飲み会のときは自分が先陣を切ってカードで支払って、みんなから現金を徴収していました。なぜそんなことをするかというと、現金を徴収して、それを自分の銀行口座に入れることで、返済日までに一時的に残高を増やすんです。そうしないと、リボ払いの返済(=引き落とし)に間に合わないんですよ。とはいえ、自分の場合は複数枚のカードでリボ払いをしているため、そこを乗り切っても1~2週間もすれば新たな引き落としがあるわけですが……」

まさに自転車操業。聞けば、佐々木さんは最大で8枚のカードを所持していたこともあったという。

そもそもクレカを持つまでの経緯

一体なぜそこまで持っていたのかは後述するとして、そもそも彼がカードを作るきっかけとは何だったのだろうか? 「こんな金銭感覚の人だ、なにも考えずに作ったに決まっている!」と思う読者諸氏もいるかもしれないが、佐々木さんの場合はやや不幸な経緯だったようだ。

「学生時代にバックパッカーとしてアメリカ横断旅行をしていたのですが、あるときひどい腹痛に襲われ、現地の病院に緊急入院することになりました。ただ、当時は学生だったので最低限のお金しか持ち合わせておらず、横断旅行のプランを変更しなくてはいけなくなるほど、治療費が高くついてしまいました。

そのときに『支払いはカードでもいいんですよ』と言われたことが印象に残って、『海外旅行するんだったらカードのひとつでも持っていないとな』と思ったんです。そして、帰国後に銀行の待合室で販売員に『カード作りませんか?』と声をかけられたのをきっかけに、初めてカードを契約しました。学生だったので限度額は30万円程度です」

クレジットカードには、海外旅行保険が付帯している場合がある。そういう意味でも、佐々木さんがカードを持ったのは、合理的な選択と言えるだろう。

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