食道がん「のどの違和感」が出る前に見つける方法 耳鼻科で異常なしの場合、次の行動が重要に

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食道とのど(咽頭・口頭)は同じ場所にあるが別の器官であり、診療科が違う。そのため、耳鼻科で食道がんが見つかることはほぼない。

「耳鼻科で『問題なし』になったときに、多くの場合、診てくれた耳鼻科医が、『これはもしかしたら食道に異常があるかもしれない、食道のがんかもしれない』と、消化器内科の受診を勧めてくれます。しかし、そうではないケースもある。その場合でも、患者さん自身が自ら気づいて消化器内科を受診することが、きわめて重要です」(押川医師)

症状がある場合、すでにがんが進行している可能性が高い。

「食道がんもほかの多くの消化器がんと同様、内側の粘膜に発生して、そこから広がっていきます。ただし、胃や大腸と違って食道の外側には、ソーセージの皮のような漿膜(しょうまく)という組織がなく、壁が薄い。症状があるときにはすでに食道の壁にがんがもぐり込んでいて、リンパ節転移が起こっていることも少なくないのです」(押川医師)

食道がんは無症状でも発見可能

では、症状がない段階で食道がんを見つけることはできないのか。

これに対し押川医師は、「無症状のうちに見つけることもできる」と答える。

がんを無症状の段階で見つけるには、がん検診が有用だが、そもそも食道がんは、5大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん)で実施されている「国が推奨するがん検診」の対象になっていない。だが、これをうまく利用すれば、食道でも無症状のがんを見つけられるそうだ。

「胃がん検診のときに、食道も診てもらうのです。食道がんは、がんそのものを内視鏡という『目』で見ることができ、早期発見が可能ながんでもあるのです」(押川医師)

胃がん検診は、50歳以上になったら2年に1回受けることが勧められている。以前はバリウム検査(胃造影検査)が主だったが、今は胃カメラ(上部消化管内視鏡)による検診が推奨されている。

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