地震保険は必要か「能登半島地震」で見直す備え 世帯加入率は2022年で35%にとどまっている

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そこで助けになるのが、地震によって生じた住宅などの損害をカバーする地震保険だ。清水さんは「公的な支援制度が限られるなか、生活再建を支える有力な手段」と強調する。

地震保険は、地震やそれに伴う火災などで住宅や家財が受けた損害を補償する保険のことだ。火災や風水害によって生じた住宅の被害は、通常、火災保険で備えられる。

しかし地震や、地震が原因で起きた火災や津波の被害は火災保険では補償されない。地震保険は噴火や津波、さらに地震が原因で起きた山崩れや液状化現象などによる損害も補償の対象となる。

ユニークなのが、国と保険会社が共同で運営する点だ。

「地震はいつ、どこで、どのくらいの規模で起きるかが分かりません。予測を超える被害が生じる可能性もある。民間の保険会社だけでは賄えない可能性があるため、官民一体の仕組みがあるのです」(清水さん)

四つの区分

地震保険は単独ではなく、火災保険とセットで加入する。対象になるのは居住用の建物と家財(生活用の動産)だ。工場や店舗、自動車、30万円を超える貴金属などは対象にならない。

保険金は火災保険の30~50%に設定するルールがある。加えて、建物は5千万円、家財は1千万円が上限だ。例えば建物の保険金が3千万円の火災保険に入っている場合、地震保険の保険金は900万~1500万円の範囲で設定できる。

被災時にもらえる保険金の額は、損害の程度に応じて決まり、損害の程度は「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の四つの区分に判定される点が特徴だ。

建物の場合は壁や柱、屋根といった「主要構造部」が時価の50%以上損害を受けたり、延床面積の70%以上が焼失、または流失したりすると「全損」となり、設定した保険金の100%が支払われる。大半損の場合は60%、小半損は30%、一部損は5%が受け取れる。

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