「ブギウギ」が傑作になるかカギを握る"登場人物" レジェンド「おしん」を超えるためのポイント

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ブギウギ
福来スズ子(趣里、写真左)と、茨田りつ子(菊地凛子、写真右)(画像:連続テレビ小説「ブギウギ」NHK公式サイトより)

2024年の年明け、“朝ドラ”こと連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)では、伝説の歌手・李香蘭の『夜来香ラプソディ』、笠置シヅ子の幻の軍歌『大空の弟』、淡谷のり子のヒット曲『別れのブルース』が立て続けに歌われた。とても満足度の高い構成で、音楽と物語がみごとに融合した昭和歌謡ドラマとしての、堂々たる風格を感じさせるものだった。

史実のいいところとオリジナルをミックス

『大空の弟』を切々と歌ったヒロイン・福来スズ子(趣里)のモデルは、昭和の大スター歌手・笠置シヅ子である。“ブギの女王”として、歌って踊って大活躍した。上海で李香蘭(昆夏美)に『夜来香ラプソディ』を歌わせた作曲家・羽鳥善一(草彅剛)のモデルは、数々のヒット曲を生み出した音楽家・服部良一だ。

特攻隊員たちの最期のリクエストに応えて『別れのブルース』を歌った茨田りつ子(菊地凛子)のモデルは、ブルースの女王の異名を持つ淡谷のり子。それぞれモデルの史実のいいとこどりをしながら、オリジナル部分をうまく混ぜ合わせた『ブギウギ』は昭和歌謡の歴史ドラマとしても楽しめる。

半年の放送期間のうちの前半が終了し折り返しに入った『ブギウギ』の、前半を振り返りつつ、このドラマが朝ドラ屈指の名作になりえるか、朝ドラに関する書籍を2冊出すほど朝ドラ研究に余念のない筆者が思いを馳せてみよう。

『ブギウギ』のヒロイン・福来スズ子は大阪、下町の小さな銭湯ですくすく育った、歌や踊りが大好きな少女だった。道頓堀に新しくできた歌劇団・梅丸少女歌劇団に入団し、切磋琢磨し活躍した後、上京し、人気作曲家・羽鳥善一と出会い、歌手の道を歩みだした。

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