米国農地バブルを検証する[上]--福島原発事故でバブルが加速? 背景にエタノール需要増や天然ガス探索ブームも

米国では、農地や田園地帯の土地の価格が上昇し、バブル化しつつある。その原因の1つは、化石燃料に代わるエネルギー資源の買いあさりだ。このバブルは福島原発の大災害によって加速化する可能性がある。

土地バブルは部分的にエタノール生産とも関係している。トウモロコシをベースにしたエタノールは、クルマに使うガソリンの添加物として利用されるが、ガソリンよりも温暖化ガス排出量が少ない。世界的トレンドとして、今後原発利用の抑制を迫られることになれば、自動車市場にも、低炭素燃料を利用するとか、地球温暖化を遅らせるような工夫をすべきだ、といった圧力が強まってくる。



【カンザスシティ連銀地区】コロラド、カンザス、ネブラスカ、オクラホマ、ワイオミング、ニュー・メキシコ北部、ミズーリの一部を含む/【シカゴ連銀地区】イリノイ、インディアナ、アイオワ、ミシガン、ウィスコンシン (出所)各地区連銀サイト


 土地バブルのもう1つの要因は、これまで技術的にアクセスが難しく利用不可能と思われていた天然ガス田に対する期待が膨らんできたことだ。天然ガスは石炭よりも燃焼時の温暖化ガス排出量が少なく、電力市場では、原発の主要な競合燃料と受け止められている。福島原発危機が起きる前から、米国では天然ガス資源を有効活用する道が開けてきており、電力会社首脳の中には、クリーンエネルギーだという理由で原発シフトを強めることに対して疑問視する向きもあった。

米中央銀行の機関の1つであるカンザスシティ連銀によると、米中部7州の農地価格は2011年第1四半期に前年同期に比べて20%上昇したという。こうした動向を追跡してきた連銀スタッフは、農地価格が急上昇したあと、突然バブルがはじけて急落し、金融システム危機を引き起こさないか、と懸念を強めている。

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