ホンダ「ビート」軽ミッドシップオープンの衝撃 5年間の生産、短命ながら今も乗り継がれる1台

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さらに全国では愛好家によるオーナーズミーティングも開催され、その中でも最大になるのが『MEET THE BEAT!』というイベント。2010年に開催された同イベントでは、569台のビートによるパレードランが開催され、『ホンダ同一車種による世界最大のパレードラン』としてギネスブックに認定されている。

ビートと言えば、このゼブラ柄のシートを思い浮かべる人も多いのではないだろうか?
ビートと言えば、このゼブラ柄のシートを思い浮かべる人も多いのではないだろうか?(筆者撮影)

一方で、販売面で成功したとは言えず、たったの5年間で姿を消している。発売直後こそ注文が殺到したが、その後は注文も止まり、1代で生産終了となる。ビートの登場によってホンダの生産工場が明るくなり、見学者が増え、求人も増えたという逸話もあるが、販売面で言えば非常に難しいクルマだったことがうかがえる。

「非力」だからこその「楽しさ」がある

幌を締めた状態。今回の撮影車両は、ホンダアクセスの試乗車となる。基本的にはノーマルとなるが、一部ホンダアクセスの純正用品などが装着されている
幌を閉じた状態。今回の撮影車両は、ホンダアクセスの試乗車となる。基本的にはノーマルとなるが、一部ホンダアクセスの純正用品などが装着されている(筆者撮影)

また、今回は執筆する前に、じっくりとビートに乗りたくなり、ホンダ車の純正用品を開発・生産している『ホンダアクセス』が所有している試乗車を借り、改めて乗り直してみた。自身でもビートを所有しているが、各部がヤレている部分も多いし、多少なりともチューニングもしているので、新車に近い個体に乗って再確認したかったからだ。

ホンダアクセス商品広報グループの石川さん。じつは新車からビートに乗り続けているオーナーでもある
ホンダアクセス商品広報グループの石川さん。じつは新車からビートに乗り続けているオーナーでもある(筆者撮影)

ちなみに対応してくれたホンダアクセス広報担当者は、なんと1992年に新車で購入してからビートに乗り続けており、ビート発売20周年記念の商品企画も担当している方だった。さらにホンダアクセス内には、ビートに乗るスタッフも多いと教えてくれた。

そんな担当者に、なぜビートに乗り続けているのか聞くと、「自分が操っている感覚と、非力だからこその楽しさがあるから乗り続けられるんですよね!」と答えてくれた。本格的なスポーツカーのような速さがないからこそ、ずっと乗っていられるというのもビート乗りらしいリアルな声だ。

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