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ホンダ「ビート」軽ミッドシップオープンの衝撃 5年間の生産、短命ながら今も乗り継がれる1台

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  • 三木 宏章 東洋経済オンライン編集者・記者
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余談ではあるが、ホンダの創業者である故・本田宗一郎氏がこの世を去ったのはビートが発表された1991年5月の約3カ月後。故・本田宗一郎氏が最後に見届けた新型車がビートだった。

今では当たり前になっているSRSエアバッグシステムを軽自動車で採用したのは、じつはビートが最初になる(写真:本田技研工業)

最新技術盛りだくさんの初物づくし

さらにビートはメカニズムを見ても、とても軽自動車とは思えないつくりになっている。

例えば、ミッドシップフルオープンモノコックは量産車として世界初の試みで、4輪ディスクブレーキの採用も軽自動車として初。さらにミッドシップレイアウトは、エンジンを後方に搭載する関係でリアに重心が偏りがちだが、重要配分を最適化するためにフロント13インチ&リア14インチの異径ホイールを採用し、それにあわせてサスペンションもセットアップ。そのほか、軽自動車で初のSRSエアバッグシステムの装着車を設定し、安全装備を充実させるなど、最新技術盛りだくさんの初物づくしだった。

撮影車両は、純正サスペンションではなく、2011年にホンダアクセスがビート発売20周年を記念して販売したスポーツサスペンションを装着している(筆者撮影)

そして、絶対的なパワーこそないが、回転上昇とともに高まるパワーフィールは、一般道路の信号発進すらワクワクさせてくれる。法定速度で走っていても、回転数は5000回転を超えてレブリミットの8500回転へ近づき、すぐにシフトアップを促される。

それを面倒に感じる人もいるかもしれないが、法定速度内で高回転までエンジンをブンまわし、小気味よくシフトアップする感覚こそが“操る楽しさ”であり、ビートの目指したところだろう。例えば、シビックやインテグラのようなVTECスポーツは、街中で高回転までブンまわすことなんてほぼないが、ビートなら一般道でそれが楽しめてしまうのだ。

1世代のみ、約5年で3万台以上を生産

ビートのデザインスケッチ。生産終了から30年近くが経過しているが、今見ても美しいスタイリングだ(筆者撮影)

ちなみにビートは、バージョンFやバージョンZなどの特別仕様車はあるが、基本的にワングレード構成で、1991~1996年までの約5年間販売された。その生産台数は3万3892台となっている。すでに生産から30年前後が経過しているが、いまだに多くの愛好家の元で元気に走っている。

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【なぜ、今もなおビートが多くの人を虜にし続けるのか?】

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