さらに当時の軽自動車の平均乗車率が1.3人だったことから、2人乗り+オープンボディという思い切りのよさも、当時のホンダの勢いを感じる。今ではプラットフォームの共通化が当たり前だが、ビートは軽自動車ながら専用設計のボディを与えられている点もバブル期ならではと言えるだろう。
高出力化のために専用チューン
そんな専用設計のボディに搭載されたのは、軽自動車枠の660ccながら業界自主規制いっぱいの64psを発揮する自然吸気エンジン「E07A型」。このエンジンは、トゥデイやライフ、商用車のアクティなどにも搭載されている汎用エンジンだが、ビートのE07A型エンジンは、「MTREC」と名付けられ、高出力化のために専用チューンが施されている。
MTRECとは、“Multi Throttle Responsive Engine Control System”の頭文字を取ったもので、F1テクノロジーを応用し、吸気効率を高める「多連スロットル」と、シャープなレスポンスとアイドリングの安定性を両立する「燃料噴射制御マップ切り替え方式」を組み合わせたエンジンコントロールシステムの総称だ。
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