新大河「光る君へ」平安&戦なしでも勝算大アリの訳 「異例中の異例」でも期待できるこれだけの要素
最後にもう1つ特筆すべきは、脚本の大石静さんだけでなく、制作統括・内田ゆきさん、チーフ演出・中島由貴さん、音楽・冬野ユミさんなど、主要スタッフを女性が占めていること。キャストにも、吉高由里子さん、国仲涼子さん、財前直見さん、吉田羊さん、板谷由夏さん、高畑充希さん、見上愛さん、瀧内公美さん、黒木華さんなど、各年代の主演級女優がそろっています。
この女性を前面に押し出した作品で思い起こされるのは、昨年2シーズンにわたって放送され、称賛を集めた「大奥」(NHK総合)。原作・よしながふみさん、脚本・森下佳子さん、主題歌・幾田りらさん、Aimerさんらが手がけ、メインの歴代将軍を主演級女優たちが演じたほか、「基本的に戦なし」の物語も似ています。
「大奥」で称賛された女性中心の作品
その「大奥」は昨年、「『どうする家康』よりも大河ドラマらしい」という声が何度となくあがっていました。これは「大河ドラマには必ずしも戦が必要というわけではない」という視聴者の声なのかもしれませんし、「光る君へ」にとっては心強い材料と言っていいでしょう。
ちなみに大石静さんが4年前の2020年1月期に手がけた「知らなくていいコト」(日本テレビ系)の主演は吉高由里子さんで、相手役は柄本佑さんが務めました。同作は主人公の週刊誌記者とカメラマンの禁断の恋と、「殺人犯の子かもしれない」という出生の秘密を描いた作品。ラブストーリーだけでなく、謎を追うミステリーもあり、社会背景や事件の生々しさも見応えを生んでいました。
その点、「光る君へ」も、現代につながる普遍的な恋愛から、平安時代の政治と文化、目に見える美しさと内に秘めた醜さを楽しめるハイブリッドな作品になるのではないでしょうか。
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