日本の大企業が「辞めた人」活用し始めた納得理由 ネットワークを作ることで得られるメリットとは?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

日本企業は単線型のキャリアパス、終身雇用などの慣行から、オフボーディングと呼ばれる、辞めるまでの手続きを非常に雑にする傾向があり、せっかくの人的ネットワークを放棄してきていました。

ただ、ここにきて一度、外に出て知見を広げた人材に価値を見出だし、アルムナイ制度を構築する動きが出てきています。

そのネットワークから新しい仕事が生まれたり、復職したりする人たちも増えているようです。

次に、「休職」です。休職と休暇の違いは各社の制度や定義によって異なりますが、ここでは1週間未満の期間で労働が免除されることを休暇、1週間以上にわたって労働が免除されることを休職とします。

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)という世界的なコンサル大手では、1年の中で2カ月の休職を取れるそうです。

休職期間には、ボランティアに参加する人や、WEBの勉強をしたり、家族との時間をゆっくり過ごしたりする人など、時間の使い方はさまざまで制約を受けません。

コンサル会社というと激務で成果主義、休職期間があると評価に大きく影響しそうな印象を受けますが、BCGではその休職期間がその社員の能力や価値を高め、業務の質の向上にもつながるとされているのです。

気づきを得られる「休暇」は社員への投資である

3つ目に、「休暇」です。休暇については、ボランティア休暇やチャレンジ休暇、サバティカル休暇、山ごもり休暇などさまざまな休暇制度を設ける企業が出てきています。

3年ごとに1カ月の有給休暇が取れる「サバティカル休暇」を取り入れている、ある東証プライム上場企業では、社員の方がいろんな使い方をしていたそうです。

ただ、制度を作った社長本人は、社員の方が勉強やリスキリングなど真面目な使い方のほか、育児休業の代わりとして使っていることに、違和感を持っていました。

「新しい体験をしてもらうことによって、いろんな気づきを得て、個人の人的な資本を高めてもらいたい」とその社長は言います。

休暇を与えるという「投資」によって社員がリフレッシュするだけでなく、会社が目指すビジョンの達成に向けて結果的により貢献してくれるというリターンの効用を理解しているからでしょう。

次ページ終身雇用の社員だけでは通用しない時代に
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事