「顧客ニーズに応える」だけの会社は時代遅れな訳 UberやNetflixは何が革新的だったのか

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当時は「DVDは通勤途中に車でレンタルして家で観るもの」という固定観念があり、延滞料金をとらなければ赤字になるというビジネスモデルだったため、サービス開始当初は苦戦を強いられていました。

しかし、インターネット(ブロードバンド回線)が発展していくにつれ、当初から顧客動向をはじめ、すべてのデータを管理していた「Netflix」に、時代が追いついたのです。

「ペインポイント=顧客の悩み」というヒント

時代を読む力があったといってしまえばそれまでですが、より丁寧に考えると、当時のNetflixの成功は、顧客の「ペインポイント=想定顧客の悩み」を取り除いた結果といえます。

皆さんも経験があると思いますが、DVDレンタルサービスの顧客にとって最も嫌なことは、創業者も体験した「延滞料金」でした。そのペインポイントを取り除くために、Netflixは「延滞料金に頼らないビジネスモデル」を新たに構築したのです。

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ここで留意したいのは、顧客はペインポイントならいくらでも話してくれますが、「サブスクリプションモデルにしてほしい」というような、新しい解決策は教えてくれないということ。なぜなら顧客は自分たちが求める利益には関心があるものの、サービス提供企業の利益についてはなんの関心もないからです。

Netflixの革新性は、顧客の声(ペインポイント)を拾い上げて問題の本質をつかみ、それに対する回答として、延滞料金の体裁を取らずに利益を上げるビジネスモデルをつくり上げたことにあります。

このように、「顧客のニーズ」や「顧客の悩み」から問題の本質をつかみ、それを解決するサービスを生み出すためのルールを、自分たちでつくりあげることこそが、今の時代の成功モデルといえるでしょう。

澤 円 圓窓代表取締役

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さわ まどか / Madoka Sawa

元日本マイクロソフト業務執行役員。立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年日本マイクロソフト入社、2006年にマネジメントに職掌転換。幅広いテクノロジー領域の啓蒙活動を行うのと並行して、サイバー犯罪対応チームの日本サテライト責任者を兼任。2020年8月末に退社。2019年10月10日より、圓窓代表取締役就任。2021年2月より日立製作所Lumada Innovation Evangelist就任。琉球大学、武蔵野大学にて客員教員を務める。著書に『個人力』『「疑う」からはじめる。』他。

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