熱帯の人は怠け者?
多くの人たちにとって、ココナッツが熱帯の自然の豊かな恵みを象徴するものであるせいか、その地方に蔓延している貧困の問題を「説明」するときにもしばしばココナッツが用いられる。
富裕国ではよく、貧しい国が貧しさから脱せないのは、その国の人々がまじめに働かないせいだと考えられている。また、大半の貧しい国が熱帯にあることから、その国の人々に労働倫理が欠けているのは、自然の豊かな恵みのおかげで楽に生きていけるせいだという説も、しばしば耳にする。
そのような説によれば、熱帯では食べ物──バナナ、ココナッツ、マンゴーなど、いかにも熱帯の果物の数々──があちこちで育つ一方、気温も高いので、頑丈な建物や立派な服も要らない。したがって、熱帯の国々の人々は生きるために汗を流して働く必要がなく、その結果として、あまり勤勉にはならないのだという。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら