いよいよ2024年、日本株を枕に年越しをしよう 「きのえ・たつ」は株式市場に最高の組み合わせ
結局、検索などをあれこれしているうちに、その過程で、筆者が東洋経済のこの欄にほぼ1年前に書いた記事「2023年から日本株は『黄金の3年間』になる可能性」が見つかった。
はたして、干支による相場予測は当たっただろうか。確かに2023年の「卯(う)跳ねる」は前述のごとく、年の前半は見事に当った。だが、童話のように、ウサギは年後半寝てしまったようだ。
「甲辰」は株式市場にとって「これ以上ない組み合わせ」
さて、少々振り返りが長くなってしまったが、肝心の2024年の干支は甲辰(きのえ・たつ)だ。
干支とは文字でわかるように、10年周期の十干(じっかん)と12年周期の十二支の組み合わせで表される。甲(きのえ)は十干の1番目で「殻を破り、木の芽が吹く」を意味する。また、辰は十二支で唯一の架空の動物で「雄々しく天に上る趨勢」を意味する。
この2つが組み合わさった甲辰年は「巨大な力を持つ龍が天に上り、地上では殻を破って木の芽が吹く」という、株式市場にとってはこの上ない縁起数詞(すうし)だ。
「辰巳天井」という言葉を聞いて嫌がる相場関係者も多いようだが、「天井」とは「高い」という意味で、「辰の2024年・巳の2025年は高い」とも解される。もし午(うま)の2026年が尻下がりになったとしても、その前に2年間も楽しめることになる。
ここまで書いてきてお叱りを受けそうだが、筆者の相場観の基本は干支とは関係なく、日本株の予想は、日本が約30年間のデフレ経済の眠りから覚めたことに起因する。だから「この相場は2023年の1年では終わるわけがない。この強気相場は2024年、場合によっては2025年まで続く」と以前から唱えてきた。だが不思議なことに、結局はこの辰巳天井という、干支の相場観と一致する。
2023年の相場はまだ5日残っているが、今年日経平均が3万3000円以上だったのは、6月13~22日、6月28日~7月5日、7月31日~8月1日、9月5~6日、9月14~20日、11月15~12月4日、12月6日、12月19日~22日だ。
実に8回も「割れては戻り」を繰り返し、戻った日数は40日にのぼる。6月13日に初めて3万3000円以上になってからの立ち合い日数は132日間だが、そのうち30%も滞在していたことになる。
つまり、これは危険な高値圏というよりは、現在の市場が納得するフェアバリューゾーンではないか。しかも、12月21日に開かれた内閣府の経済財政諮問会議では、2024年度の所得増加率が前年度比3.8%となるとの推計が示された。これは同年度の物価上昇率2.5%を上回る。
もしこの試算どおりなら、フェアバリューゾーンは間違いなく上がってくる。ならば、古い言い回しだが、「株を枕に年を越し」でよいのではないか。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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