もし日経平均が暴落したら、いくらで買うか バブルを止めるにはバブルを起こすしかない

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

実は、「明確な出口」を探しているはずのイエレンFRB議長も、出口の先のレールの幅は変わらないというようなことを盛んに言っている。よって、黒田総裁が突出した異次元総裁かというと、実は、「その差」はあまりないような気もするのである。だが、商品ファンドなどは、まさに「その彼我の差」でハンティングしようと、またぞろ動きだしたようだ。

再びマーケットで暗躍し始めたといわれる商品ファンドは、円安を前提に「株買い」で攻めている。先週末の欧米株こそ、利上げ懸念で神経質な動きとなったが、為替は一気に1ドル125円台半ばから後半をつけた。とすると、週明けの日本市場では、日経平均は、いよいよ2000年4月12日の2万0833円の高値を抜きに行くだろう。

基本は上昇だが、5月とは「逆の展開」の可能性も?

読者も約1か月前だから覚えているだろうと思うが、5月8日のコラム「日経平均、調整終了で再び2万円台に回復?」では、「幻のSQ(特別生産指数)サイン」が現れたことによって、「アイランドリバーサル(離れ小島)が出て、上昇波動が形成された可能性を指摘した。

幸いこの予想は当たっていたが、今週末はSQ、しかも3カ月に1度の「メジャーSQ」(先物とオプション取引の両方の清算が行われる日)である。そして来週17日は、FOMC(米公開市場委員会)がある日だ。読者のみなさんは、「なにか波乱の予感」はしないだろうか?

もし今回のSQで、5月とは逆に、上値での「アイランドリバーサル」が出て、FOMCで「まさかの利上げ」となったら、商品ファンドは容赦なく売って来るだろう。

彼らのトレードには「水準」はない。あるのは「方向感」だけである。彼らは「高いところを買って、さらに高いところを売る、安いところを売って、さらに安いところを買い戻す」だけである。

と、思わず読者を脅かしてしまったが、このような展開になる確率は2割程度だろうか(筆者のいわゆる「ドタ勘」というやつである)。もし、マーケットが大きく下落したとしても、政府・日銀は日経平均2万円で抵抗するだろう。そうなったらなったで、またそれも面白い相場ではないか。

今週の日経平均の予想レンジは2万0200円~2万1000円としたい。

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事