「発達障害の子ども」に世界はどう見えているのか 「家・学校・社会」の3シーンから当事者の知覚世界をひもとく

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〈算数障害のお子さんが見ている「世界」〉 

算数障害のお子さんは、

「数字のけたが理解できない」
「繰り上がり、繰り下がりがわからない」
「九九は暗記できても、計算に使えない」
「暗算ができない、指を使って計算をする」
「算数の用語や、数式の記号がわからない」
「数字や記号の見落としが多い」
「図形が理解できない」
「文章問題で何を問われているのかがわからない」
「自分で計算式を立てられない」

といった「世界」を生きています。

「1、2、3……」といった基本的な数字の概念や、「+、-、×、÷」などの計算記号、数字の規則性などを認識するのが難しいのです。

数字をそろえて書くのが苦手な場合、視覚認知の問題が関わっているかもしれません。
また、文章問題で何を問われているのかがわからない場合は読字障害、先生からの質問に答えられない場合は聴覚認知がそれぞれリンクしていることも考えられます。

親の育て方、子どものやる気や努力の問題でもない

まだまだ未解明な部分が多いのでもどかしいのですが、LDも他の発達障害と同様、脳における何らかの機能障害が原因です。

人間は、目、耳、皮膚などの感覚器官を通して入ってくる情報を、脳の中で「受け取る/整理する/関係づける/表す」といった作業を行い、「読む、書く、計算する」といった「行動」に至ります。

しかし、定型発達者が「『読む』ときはこの順番で……」「『書く』ときはこの順番で……」「『計算する』ときはこの順番で……」とスムーズに踏んでいくステップのどこかで、LDの人はつまずいてしまうのです。
「定型発達者がトントンと上っていくステップを、慎重に一歩一歩上がらなければならない」というイメージに近いかもしれません。

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