現役時代、ずっと賃貸で過ごすとしても、退職後は賃貸から脱したいとの気持ちがどこかにあるものです。それはKさんのように現役時代に手厚い住宅補助があればあるほど、定年後の住宅コストの負担ギャップを大きく感じますから、一層、その負担を避けたいとの思いは強くなるはずです。
築年数が古くてもKさんのように実家があれば、その対応は可能になります。また現役時代に賃貸生活で過ごしたとしてもその間に資産形成を進めることで、定年時に退職金以外に金融資産があれば“終の棲家”をあらたに購入することも可能になります。Kさんの場合、「いいマンション」を借りて高めの賃貸生活を続けていたことが課題だったのかもしれません。
一方で、現役時代にマンションを購入して、それをうまく活用して退職後の移住生活をうまく乗り切っている人もいます。
住宅売却→地方で住宅を購入
ケース2.半額になった藤沢のマンションの売却で岡山に移住
68歳(2022年2月当時)、独身のTさんは、神戸で生まれて、子どものころ岡山に引っ越しました。大学受験に失敗し、アルバイト三昧の生活になり、“無限連鎖講”的なものに騙され大損したこともあったそうです。
その後、ホテルの営業では支配人候補といわれるまでになり、化粧品の営業に転職してもトップセールスマンに。岡山に帰って外食のアルバイトを始めても正社員にと請われるなど、実績は挙げるのですがどれも満足いかずに、転職を繰り返していたそうです。
1982年、28歳のときに入社した全国チェーンの小売りの会社に腰を落ち着け、結局65歳まで勤めることになります。その会社ではフランス駐在も含め、全国で営業にめぐる日々を続けてきました。
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