首位は断トツ「世界鉄鋼メーカー」ランキング 日本製鉄の巨額買収で序列はどこまで変わるか
インド、アメリカに目を向けるのは必然
粗鋼生産量でみると日本は中国、インドに次ぐ3位だが、自国での消費量(生産量+輸入量-輸出量)でみるとその風景は変わる。中国トップは揺るぎないが、インド、アメリカと続く。
インドは人口当たり鋼材使用量が日本の約5分の1、中国の約8分の1しかなく、今後の成長余力が大きい。アメリカの需要は先進国で最大となる年間約1億トンあるのに対し、同国内の粗鋼生産量は8000万トン台と需給がタイトだ。
一方、日本は約9000万トンの生産に対し、内需は約5500万トン。つまり輸出に依存している。日本の輸出の中心となるアジア市場は、中国からの輸出の多寡で市況が乱高下する。しかも、少子高齢化で内需は一段と縮んでいく。
日本製鉄は2019年には欧州アルセロール・ミタルとの合弁でインド5位の鉄鋼大手を7700億円で買収。そして今回、USスチール買収を発表した。日本国内の鉄鋼事業では利益成長が見込めないだけに、次の一手が海外になることは自然な流れだろう。
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