「定年後の人生」を左右する「50代で心掛ける事」 ハロワ通った宇宙飛行士が気づいた3つのこと
若いときには気づけない50代の苦しさ
僕はJAXA(宇宙航空研究開発機構)を辞めた後、雇用保険の手続きのために、何度か地域のハローワークに行ったことがあります。
そのとき、ハローワークの職員の方とのやりとりや、ハローワークに来ている人たちの様子を見て強く感じたのが、
「定年を迎えると、人はいきなりアイデンティティや人間関係など、組織とのつながりを切られる」
「組織とのつながりが切れたとたん、人は『自分は何者なのか』『何がしたいのか』『何ができるのか』をシビアに問われるようになる」
ということでした。
一つの会社で長く働いている人に、「自己紹介をしてください」というと、「大学を卒業した後、A社のB部に配属され、32歳からはC部に配属し……」といった具合に、その会社での職歴を話す人が少なくありません。
「自分の経歴=会社の職歴」になってしまっているわけですが、社会的には、それは「22歳から60歳までA社に在籍」の一行で終わってしまいます。
でも、組織を離れると、最終的な役職など関係なく、年齢や性別、学歴、体力、技術の有無などによって「何ができるか」を冷徹に評価されるようになります。あるいは、組織から与えられるミッションや目標が失われ、「自分自身が何をしたいのか」を問われるようになります。
何十年も同じ場所に通い、仕事をし続けていた人が、ある日を境に「もう来なくていい」と言われること。それは、いきなり無重力空間に放り出されるようなものかもしれません。
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