「定年後の人生」を左右する「50代で心掛ける事」 ハロワ通った宇宙飛行士が気づいた3つのこと

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
肩書や帰属先を失ったとき、「自分自身が何をしたいのか」を問われるようになります(写真:Ushico/PIXTA)
多くのビジネスパーソンにとって、キャリアの答え合わせ期間でもある50代。しかし、これまで仕事で数々の成果をあげてきたとしても、残りの人生を幸せに過ごせるとは限りません。逆に、成功とはいえないキャリアを歩んできた人が、幸せな老後を過ごすことも。この差はどこから生まれるのでしょうか。宇宙飛行士の野口聡一さんの著書『どう生きるか つらかったときの話をしよう』より一部引用・再編集して、そのヒントを探ります。

若いときには気づけない50代の苦しさ

僕はJAXA(宇宙航空研究開発機構)を辞めた後、雇用保険の手続きのために、何度か地域のハローワークに行ったことがあります。

そのとき、ハローワークの職員の方とのやりとりや、ハローワークに来ている人たちの様子を見て強く感じたのが、

「定年を迎えると、人はいきなりアイデンティティや人間関係など、組織とのつながりを切られる」

「組織とのつながりが切れたとたん、人は『自分は何者なのか』『何がしたいのか』『何ができるのか』をシビアに問われるようになる」

ということでした。

一つの会社で長く働いている人に、「自己紹介をしてください」というと、「大学を卒業した後、A社のB部に配属され、32歳からはC部に配属し……」といった具合に、その会社での職歴を話す人が少なくありません。

「自分の経歴=会社の職歴」になってしまっているわけですが、社会的には、それは「22歳から60歳までA社に在籍」の一行で終わってしまいます。

でも、組織を離れると、最終的な役職など関係なく、年齢や性別、学歴、体力、技術の有無などによって「何ができるか」を冷徹に評価されるようになります。あるいは、組織から与えられるミッションや目標が失われ、「自分自身が何をしたいのか」を問われるようになります。

何十年も同じ場所に通い、仕事をし続けていた人が、ある日を境に「もう来なくていい」と言われること。それは、いきなり無重力空間に放り出されるようなものかもしれません。

次ページ仕事一筋に生きてきて…
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事