保険の営業マンにまんまと「カモられる」人の盲点 積立型は保険の本質・レバレッジがほぼ働かない

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政府の医療保険制度も同じです。企業に勤めていれば毎月の給与から健康保険料が天引きされます。健康なら1円も返ってきませんから、明らかな「掛け捨て」ですね。

でも、その代わりに、病気になったときに3割負担で済むから安心できる。これが保険の本質なのです。

「保険料の安さ」「見直しのしやすさ」

さて、僕が掛け捨て型をオススメする理由は大きく2つ。

①月々の保険料が安い

保険は、人生のなかでも最も高い買い物の1つ。「住宅ローンに次ぐ」と言う人もいるくらいです。月々の保険料は数千円から数万円ですが、契約自体は何十年にも及びますから、トータルで見たらかなりの高額商品となります。事実、日本の世帯は年間平均40万円前後の生命保険料を支払っています。

保険料は、水道やガスと同じく毎月払わなければならない固定費。1カ月3000円でも、1年で3万6000円、10年で36万円のコストになります。

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けれど、保険が水道やガスと違うのは、自分で会社や商品を選べるということです。選択次第では大幅に固定費を削ることができます。月々の保険料が半分になれば、先ほどのケースであれば10年で18万円もの節約になる。高い買い物なだけに、いろいろな会社の商品を比較検討し、納得いく商品を選ばなければ、それこそ大損です。

②「見直し」がしやすい

給与が上がる、結婚する、子どもが生まれる。人生に変化はつきものです。ときとして、思いも寄らない方向に進むことだってあるでしょう。

そんなとき、積立型のように解約リスクがあると、人生に大きな変化が生じても「何年か前の自分の計画」に沿って生きていかなければならなくなります。

一方で、掛け捨て型は解約リスクがないので、柔軟に保険を見直せます。子どもが生まれたから保険料を増やす、子どもが巣立ったから保険料を減らす。調整がきくのです。

出口 治明 立命館アジア太平洋大学(APU)学長

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でぐち はるあき / Haruaki Deguchi

1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒業後、日本生命保険相互会社入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2005年に同社を退職。2008年にライフネット生命を開業。2017年に代表取締役会長を退任後、2018年1月より現職。『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『人類5000年史Ⅰ』(ちくま新書)、『「全世界史」講義Ⅰ、Ⅱ』(新潮社)、『仕事に効く教養としての「世界史」Ⅰ、Ⅱ』(祥伝社)、『本の「使い方」1万冊を血肉にした方法』(角川oneテーマ)、『教養は児童書で学べ』(光文社新書)、『ゼロから学ぶ「日本史」講義Ⅰ』(文藝春秋)など著書多数。

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