保険の営業マンにまんまと「カモられる」人の盲点 積立型は保険の本質・レバレッジがほぼ働かない

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加えて、預金と積立型の保険にはもう1つ大きな違いがあります。毎月1万円を積み立てたとき、預金なら1年後には12万円が確実に貯まります。銀行の運営経費は利ざやでまかなっていますからね。

ところが、保険会社の運営経費は、みなさんの払う保険料から差し引かれます(付加保険料)。1万円のうち、運営経費が20%(2000円)だとしたら、1年経っても9万6000円(8000円×12カ月)しか貯まらないのです。

したがって、

①レバレッジが働かない

②ゼロ金利政策のもとでは複利効果が働かない

③付加保険料の分だけ預金よりも貯まる金額が少なくなる

この3つの理由から、僕はいまの金利情勢のもとでは積立型の保険をオススメしないことにしているのです。

さらに言えば、積立型の保険は途中解約のリスクが高いのも特徴です。携帯電話の「2年縛り」では、途中で解約すると違約金が発生しますよね。同じように、積立型の場合、違約金こそ発生しないものの、満期になる前に解約すると返ってくるお金がそれまで払ってきた保険料よりもかなり少なくなってしまいます。人生、いつ大きなお金が必要となって解約を余儀なくされるかわからないわけですから、これは大きなリスクです。

また、積立型の月々支払う保険料には、ケガをしたときや病気になったときの「保障」部分と、満期になったときに返してもらえる「積立」部分が含まれています。貯蓄性は高いのですが、それゆえに、掛け捨て型の保険に比べると毎月の支払いが高額になります。

積立型を検討するときは、掛け捨て型+投資信託など、「保険は保険、貯蓄は貯蓄」の原則に則った場合と比較してみたほうがいいでしょう。

掛け捨て型の保険をオススメする2つの理由

──保険と貯蓄は分ける。積立型はほかの貯蓄手段などと比較したうえで検討する、それにゼロ金利のもとではそれほどうまみがない。ということは、出口さんは保険の原則どおり掛け捨て型をオススメするのですか?

「掛け捨て」はお金が戻ってこないから損。感覚的にはそうかもしれません。

しかし、保険がそもそも得をするためのものでないことは、保険が生まれた歴史的な背景からもおわかりいただけるでしょう。死んだり、ケガをしたりしたほうが得なんてこと、あるわけがないのですから。

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