「次期装輪装甲車」選定に見る防衛予算の無駄遣い 国内生産で単価高騰、浪費される防衛費の実態

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このため防衛装備庁は新たに「次期装輪装甲車」として96式の後継選定を2022年度に開始した。候補は三菱重工がMAV、NTKインターナショナル社がAMVを、双日エアロスペースがGDLS(General Dynamics Land Systems)のLAV6.0を提案した。だがLAV6.0は2022年度末の納期に試験用車両が間に合わずに脱落した。

結果、AMVが選定されたのだが、その選定過程がこれもまた極めていい加減だった。防衛装備庁が求める基本性能はAMVが優れ、後方支援・生産基盤については両車同等、経費についてはAMVが優位でAMVを次期装輪装甲車のAPC(Armoured Personnel Carrier:人員輸送型)として選定した。

この選定で海外製品が選ばれた場合、国内生産されることになっていた。ところが、その国内生産企業が未定だったのだ。

本来、国内製造会社がパートナーとして参加していなければ、生産コストや後方支援・生産基盤については情報を出せるはずがない。それにもかかわらず、「経費についてはAMVが優位」と判断したのだ。

生産会社が未決定のまま予算要求

しかも予算が成立して本年度から執行されるべき時期である本年4月になっても生産会社は決まっておらず、未決定のまま来年度の概算要求でもAMVの予算が要求されている。無責任としか言いようがない。

パトリア社が国内生産会社を日本製鋼所に決定し契約を結んだというアナウンスは2023年9月になって行われた。だが同社には装甲車製造の経験がない。これが三菱重工であれば装甲車生産のためのラインやジグ(治具)、設備などを有しているから初度費(初期投資)は高くならない。だが日本製鋼所の場合は相当額の初度費が必要なはずだ。

来年度要求だけでも170億円ほどが見込まれているが、その初度費がどの程度になるかは明らかにされていない。おそらく初度費は何倍も高くなることが予想されるが、その分、実質的に単価が高騰することになる。つまり装備庁や陸幕は初度費がどのくらいになるのかも把握せずに、経費については「AMVが優位」と判断したわけだ。

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