絶対王者「N-BOX」に挑む「新型スペーシア」の勝算 フルモデルチェンジした売れ筋軽自動車を比較

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後席への乗車をサポートするN-BOXの乗り降りらくらくグリップ
後席への乗車をサポートするN-BOXの乗り降りらくらくグリップ(写真:本田技研工業)

ほかにも、新型N-BOXでは、スライドドア開口の一部に小さい子どもや高齢者が握りやすいグリップ形状のくぼみを設けることで、より幅広いユーザーが乗り降りしやすい工夫を行っている。一方の新型スペーシアでは、後席の両側に乗降用グリップを採用。高齢者や小さな子どもがつかみやすい145mmサイズの大型グリップを装備することで、こちらも多様な乗員の乗降時における負担軽減をサポートしている。

安全運転支援システム

先進の安全運転支援システムについても、両モデルともに進化している。まず、N-BOXでは、独自の「ホンダセンシング」を全車に標準装備。新型モデルでは、広い水平画角のフロントワイドビューカメラと前後8つのソナーセンサーを用いたシステムを採用することで、より機能が充実している。

N-BOXに搭載されている衝突軽減ブレーキ(CMBS)のイメージ
N-BOXに搭載されている衝突軽減ブレーキ(CMBS)のイメージ(写真:本田技研工業)

主な特徴は、まず「近距離衝突軽減ブレーキ」をホンダの軽自動車として初採用していること。前方または後方の障害物を検知し、衝突する恐れがある場合にブレーキを制御して衝突被害を軽減する機能だ。また、間違えてアクセルを強く踏んでしまったときの急加速を抑制する「急アクセル抑制機能」もN-BOXに初搭載。加えて、高速道路などで車間距離を保持しながら前車を追従する「ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)」も進化している。前方に他車が割り込んできて減速する場合に、速度の落とし方がゆるやかになっている。これは、センサーやカメラの進化により、より早い段階で割り込み車両を認知し、早期に減速を開始できるためだ。もちろん、先代モデルと同様に、渋滞追従機能付きACCのため、渋滞路などで前車が停止した場合には、自車も自動停止する機能を有している。

さらにN-BOXカスタムには、同じくホンダ軽自動車初の「マルチビューカメラシステム」もオプション設定する。これは、フロントグリル、左右ドアミラー、テールゲートに備えた4つの魚眼シーモスカメラが車両の周囲を撮影し、ナビモニターに映し出す機能だ。バックで駐車する際には、リアビューや約180度を見渡せるリアワイドビュー、それらと真上から車両を見下ろしたようなグランドビューを組み合わせた映像を選べる。また、見通しの悪い交差点などへの進入時に、死角にいる他車を映したり、狭い路地で対向車とすれ違ったりする場合などに、見えづらい前側方を映し出す機能も採用。駐車時だけでなく、走行中の運転支援にも貢献する。

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