絶対王者「N-BOX」に挑む「新型スペーシア」の勝算 フルモデルチェンジした売れ筋軽自動車を比較

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スペーシアカスタムの外観
スペーシアカスタムの外観(写真:スズキ)

一方のスペーシアカスタムでは、ボディのプレスラインなどはスタンダード仕様と共通ながら、フロントバンパーやヘッドライトの形状を変更することで、よりシャープな印象を加味する。また、ヘッドライト下には、横長デザインのシーケンシャルウィンカー(内側から外側へ向かって流れるように光るウィンカー)も採用することで、被視認性も向上する。グレード展開は、NA車にエントリーグレードの「HYBRID GS」と上級グレードの「HYBRID XS」を設定するほか、ターボ車の「HYBRID XSターボ」も用意。こちらも、全タイプにマイルドハイブリッドシステムを採用する。

ちなみに両モデルの車体サイズは、N-BOXやN-BOXカスタムが、全長3395mm×全幅1475mm×全高1790~1815mm。対するスペーシアとスペーシアカスタムは全長3395mm×全幅1475mm×全高1785mm。全長や全幅は両モデル同じで、全高のみN-BOXやN-BOXカスタムのほうがやや高い設定となっている。

両モデルともにNAとターボの2本立てのエンジン

新型N-BOXに搭載されているNAエンジン
新型N-BOXに搭載されているNAエンジン(写真:本田技研工業)

N-BOX・シリーズのパワートレインは、先代モデルを継承しており、NA車が658cc・水冷直列3気筒(S07B型)を搭載し、最高出力43kW(58PS)/7300rpm、最大トルク65N・m(6.6kgf-m)/4800rpmを発揮する。同じエンジンを採用するターボ車のスペックは、最高出力47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク104N・m(10.6kgf-m)/2600rpmだ。

対するスペーシア・シリーズでは、NA車のエンジンが変更になっており、「ハスラー」や「ワゴンR」に搭載されている次世代型パワートレインを採用。657cc・水冷直列3気筒のR06D型というエンジンは、最高出力36kW(49PS)/6500rpm、最大トルク58N・m(5.9kgf-m)/5000rpmを発揮する。また、スペーシアカスタムに設定されているターボ車では、先代と同じ658cc・水冷直列3気筒(R06A型)を搭載し、最高出力は47kW(64PS)/6000rpm、最大トルクは98N・m(10.0kgf-m)/3000rpmだ。

両モデルのターボ車について、スペックはほぼ互角といえるだろう。だが、NA車のパワーやトルクは、スペーシアよりN-BOXのほうが高い。そのため、例えば、信号待ちからの発進などでは、N-BOXのほうがよりストレスフリーな乗り味になることが予想できる。

スペーシア カスタム
スペーシア カスタム(写真:スズキ)

ただし、燃費性能の面では、スペーシアのほうが優れている。それぞれのWLTCモード値を比較してみると、NA車のスペーシア・スタンダード仕様が23.9~25.1km/Lなのに対し、同じくNA車のN-BOX・スタンダード仕様は19.4~21.6km/L。また、カスタマイズ仕様車では、スペーシアカスタムがNA車で22.4~23.9km/L、ターボ車は19.8~21.9km/L。対するN-BOXカスタムでは、NA車が19.4~21.5km/Lで、ターボ車は18.4~20.3km/Lだ。

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