絶対王者「N-BOX」に挑む「新型スペーシア」の勝算 フルモデルチェンジした売れ筋軽自動車を比較

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スペーシアのインテリア
スペーシアのインテリア(写真:スズキ)

加えて、新型スペーシアでは、2列目シートを格納したときの床面がよりフラットになり、荷室高も拡大。27インチタイヤの大型自転車など、大きな荷物がより積み込みやすくなっている(自転車は車体サイズによる)。

「軽自動車なのに自転車も積める」。軽スーパーハイトワゴンならではの利点だが、N-BOXは先代モデルでもその点について好評で、やはり27インチタイヤを装備した大型の自転車を積載できることがひとつの売りだった。つまり、新型スペーシアは、荷室の広さや使い勝手の良さについても、N-BOXを追従し、同等の性能を持たせたといえる。

N-BOXのインテリア
N-BOXのインテリア(写真:本田技研工業)

ちなみに、N-BOXが持つ広い荷室や使い勝手のよさの秘密は、初代モデルから継承する独自の「センタータンクレイアウト」だ。これは、通常は後席や荷室の下にある燃料タンクを前席下へ配置することで、室内のフロアを低く設定できることが利点。天井を高くできるほか、2列目シートを足元に収納できるダイブダウン機構も持つことで、フラットな荷室空間を作ることができる。そのため、自転車など大型の荷物を積載しやすかった。その点は、新型も継承しつつ、より改良が図られている。ダイブダウン時に倒した背もたれの一部をフラット化することで、積載した自転車が走行中に安定するような工夫が施されている。

なお、両モデルの室内サイズは、N-BOXが長さ2125mm×幅1350mm×高さ1400mm。対するスペーシア・シリーズでは、長さ2170mm×幅1345mm×高さ1415mmだ。幅はN-BOXのほうがあるが、長さや高さはスペーシアのほうにやや余裕がある。新型N-BOXも、後席ショルダールームを55mm拡大することで、居住性を向上しているが、室内の広さでは、若干ながらスペーシアに分があるようだ。

電動スライドドアの注意点

両モデルでは、先代モデルと同様に、左右の電動スライドドアを採用していることも特徴だ。小さな子どもや高齢者が乗り降りしやすいほか、荷物を抱えたまま開閉する際にも便利な装備だ。また、N-BOXとスペーシアの両モデルともに、新型には予約ロック機能も採用する。これにより、ドアが閉まるまで車両近くで待つ必要がなく、雨天時などの使い勝手を向上させている。

さらに新型N-BOXは、コネクテッドサービスの「ホンダコネクト」にも対応。スマートフォンで、エンジン始動やエアコンの操作などを遠隔操作できるほか、電動スライドドアの操作も可能となっている。ちなみに、これら機能は、いずれもタイプ別の設定またはオプション。とくにスペーシアには、電動スライドドアの設定がないグレードもあるため、これら機能が使えるか否かは、購入時に注意したい。

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